不妊治療 やめました。~本から一緒に考えてみましょう

体外受精をしない決断 

最先端不妊クリニックへ転院 体外受精をしない決断
『不妊治療、やめました。―ふたり暮らしを決めた日』
堀田 あきお (著), 堀田 かよ (著)

『フーナー良好、精子良好、頚管粘液良好ということで、体外受精をすすめられる。このクリニックでは、体外受精をしないならば、通う必要はないと言われ、経済的要因を考え治療中断』

うーーーん、そうですね。体外受精はやはり経済的にはかなりハードルが高いと思います。
この方の場合、精子の条件、卵管、排卵の状態はよいが、妊娠しないと言うことで、卵管采の動きがよくないのではないかと思われます。これは子宮内膜症がひどいということがあるかもしれませんし、東洋医学的に緊張状態が強いので動きが悪いということもあろうかと思います。

経済的な要因が強いということであれば、より若い年齢の時に体外受精に挑戦することがよいと思います。

大きな分かれ目となるのは37.5歳。これを過ぎると、結局お金をもっと掛けなければならなくなります。
ただし、体調の悪い状態で体外受精の実施をするのも金銭的にもったいない。
体調をよくして、37歳のうちに実施してみるというのが、金銭的な側面から考えるとより現実的ではないかと
思います。

体外受精は、言われるとおり1回の成功率は低い治療です。
これは生殖という物の性質もあるかと思います。
いわゆる淘汰のプロセスがあるわけですから、1回で必ずということはないわけです。

私は3回がワンセット。つまり100万円を治療費だと考えて体外受精への挑戦をお勧めします。
助成金が考慮できればその分軽減しますね、また助成金もいまは年齢で40歳未満であれば回数が多く
挑戦できます。これも結局年齢が若い方が結果が出やすいという情報に基づいています。

とくに、今回のケースは妊娠歴もありますので、
100万円ぐらいを目処に挑戦してみたら現実感は強いケースだと思いました。

100万円、私は不妊治療のおつきあいが長く、金銭感覚が狂っているのかも知れません(^^ゞ。
でも、これぐらいをワンクールと考えると、ぐっと現実感が増すのです。

助成金などもありますので、なんとかと願ってしまいます。

また、このマンガで著者の方は介護のことを書いていらっしゃいます。そしてお父さんが
2000万円のお金をタクシーをただただ乗ることで使ってしまったと。
タクシーの方が『子供の話をしていて嬉しそうだった』とおっしゃり、著者の方の胸に刺さっていました。
お金のことです、なかなか家族にも相談しにくいことだったと思います。
ただ、数年後にこのエピソードをマンガで知った私は、経済的な理由で体外受精を断念したときに
親御さんに相談なさることは出来なかったのかなあと思いました。

まあ、後からおこったことの、”たられば”にはなりますが、
タクシーを呼よんで、助手席に座って、ただ楽しく家族のことをお喋りしていた。
そしてそんなことを繰り返し、2000万円をタクシー代で使ってしまった!!という
エピソードをうかがうと、この2000万円を、不妊治療に使わせて欲しいというお願いをされたら
出して下さったのかなあなどと思わずにはいられませんでした。

お金って難しいですね。
この方のマンガのなかで、人生のエピソードとして出てきた、大きなお金のエピソード。
少し身に詰まされるような思いで拝見していました。

また、以前に、40歳で長く不妊治療をされた方が、経済的要因で1回だけと決心され体外受精に挑戦されたことがありました。

ガッツリ薬をかけた治療でしたが1個しか採卵できず、移植するも妊娠出来ず。しかしながら、その次の排卵で妊娠ー出産されたケースを経験しています。なにがよかったのかわかりませんが、採卵前から3ヶ月にわたり鍼灸治療を高頻度でいれていたこと、採卵によって卵巣に対してドリリングとなったこと、ホルモン剤でがっつりと補充していたことなどがよかったのかもしれません。流れが変わることもありますね。

体外受精を全く考えない

スタートが29歳と若く、32歳で一度自然妊娠しているということから考えると、、精子と卵子の相性はほどほどよく、妊娠する力もあるともいえます。子宮内膜症がひどいわけですから、3ヶ月ほど大豆を控えて内膜症の変化をみる(変化があればそれに従う)鍼灸治療などでからだの緊張状態を軽減させるなどで効果が出る可能性も高いのではないかと思います。

私は、二人目不妊や1度妊娠歴のある方の場合は、

  「同じ方法で妊娠する」

ということを多々経験しています。『妊娠のため』ということから一歩離れ、『身体作り』『子宮内膜症の治療』という方向転換にして、気楽に治療に望んでいただければ、案外再度の妊娠となるのではなどということも思いました。
治療の選択は、大きな決心です。なかなか難しいテーマですが、一緒に考えていければと思います。