ネットの弊害?不妊相談、カウンセリング。

ネット検索の弊害? 不妊相談、カウンセリング

ながらく不妊治療について、あれこれの相談にのっています。
そのなかで、やはりポイントとなるのは、一般論としての不妊治療についてではなく
『目の前のこの人にとって何が必要であるか』ということだと思います。

身体は人によって違います。
経済状況も
家族関係も、
考え方も違います。

インターネットがあり、ご自身の状況の気になるところを
ネット検索することが出来ます。
このネット検索は、非常に助けになる情報提供となる場合も
多くあると思います。それは事実でしょう。

ただ、自分自身にとっては何かをひとつ選ばなくてはならないわけです。
人生はこっちとそっち。平行に進めるわけにはいきません。
どうしても、何かをするという決断が必要で、前にコマを進めなければ
ならないわけです。

この選択の時に、データーは役に立つでしょう。
成功率はやはり成功率として実績を物語ります。

ただ、ここが本当にマジックだなと思うこともあるのです。
一般論として、25%と、40%の成功率の差があると明示されていたら
当然40%の方を選択するでしょう。
でも、妊娠は0か100しかありません。成立するかしないか。
40%の妊娠なんてないわけです。

ここで考えなければならないのは、一般論としてはそうだ。
そしてそれを踏まえて自分は何を選択するのかというポイントなのです。

10日程前、今のこの方にとってベストな病院に通院中だなと思われる方が
『もっと、いわゆる不妊治療で有名なところに通うべきでしょうか』と
相談されました。

この方がネット検索し、あれこれ考えればもっと有名で、高い成功率を
謳うクリニックも見つかるでしょう。でも、それがこの方にとってベストなのかと
思うと疑問を私はもつのです。

現時点で、
自然妊娠の希望
年齢が比較的若い
精子の問題が少しある
基礎体温表で高温期の不安定さや、排卵の波がある。

このような状況では、比較的通いやすく、自然妊娠を中心にする人工授精までの治療も積極的に受け入れ、体外受精もしているので培養室もある(人工授精の時に精子の処置が上手)という今の病院はベストであると思えます。

そして鍼灸で手を入れてきて、だいぶ高温期などがしっかりしてきて、
『もしかして妊娠?』などという兆候も見えるようになってきました。
この時期に、極早期の妊娠検査薬を使い、うっすらでも妊娠反応が出ていれば
精子と卵子は出会い、着床までは進んでいるということが確認でき、
体外受精をいそぐ必要はない(つまり体外受精が一番力となるキャッチアップ障害はない)ということがわかります。このうっすら化学流産がもし何度も続くようならば
体外受精などを考えるのではなく不育系を考えるべきかなと思いますし、
鍼灸治療の軸足をこの着床から妊娠処置のゾーンに少し変えておくことも考えます。

しかしながら、年齢要因もあります。
体外受精への挑戦も年齢が若い方が有利なことは間違いありません。
ある程度の状況までやってみて、手応えがなければ
時期を逸しないように注意しながら(ココがポイント)、
病院選びをさらに考えた上で(それまで使った排卵誘発剤の反応や精子の状況、
ご自身の経済状況などなど)、どこのクリニックで体外受精の治療を進めるのかを
考えるべきだと思っています。

この方へは、ざっくりと一連のこの方にとって、もし現時点での
治療で妊娠に至らなかったらどうすれば良いのかということを提示させて
いただきました。

高度生殖医療には非常に高額のお金がかかります。
そして考えなければならないのは、助成金は6回出るという意味です。
つまり、1度や2度の体外受精では結果がでにくいという事実が
あるのです。治療の目安を6回ぐらいは持つべきだという意味だと
考える方が、不妊治療としては自然です。

助成金が6回出てもかなり高額です。
どうしたら年齢要因を踏まえた、なるべくスピーディーで効果的な
不妊治療ができるのか、ぜひご相談頂けたらと思います。

また、ある方が
『漢方が毎月5万円を越していて、ときに7万円ぐらいになるのです。
続けないと妊娠出来ない気がするけど、この金額にもう恐くて・・・』と。
私は漢方そのものはこの方にあっているなと思いましたが、
漢方処方の方針が明確ではなく、一つ一つの症状や状況に
製品を足している状況は、あまりよい選択ではないし、他の選択もできるなと
思ったので、とあるアドバイスをいたしました(アドバイスの詳細はまた
別記しますね。気になる方は(^^ゞ、直接私に聞いてください)。その方は
ほっとなさっていました。

当事者であるご自身には、ご自身の現況、そして今後に対する必要なモノに対して
優先順位がつけにくいと思います。
少しでもお力になれればって思うのです。