鍼灸学校へ行きたいというご相談を時に受けます。
私がお受けするのは、新卒での相談ではなく、たいていが、ある程度の年齢になったかたです。
鍼灸の資格の特徴
鍼灸の資格は、鍼師という資格、灸師という資格、それに、マッサージが出来る資格としてあん摩マッサージ指圧師が国家資格としてあります。
3つの資格がわかれています。鍼灸師っていいますが、3つ持っている人は鍼灸あマ師です。
昨今は鍼灸のみの資格取得の学校が増えましたが、基本的には3つほぼ同じカリキュラムでほんのちょっとの試験の問題の違いで3つとれますし、費用的にもほぼかわらないので3つ取るべきでしょう。
鍼灸師っていっているときに、この鍼と、灸の資格のみで語っている場合と、案外、鍼灸あマ師までのことでも鍼灸師と語っている場合があります。資格的には違うのですが、もともとは3つ一緒にとれる学校がほとんどで、昨今の学校開設の自由化で、お手軽にとれる鍼灸のみの学校が増えたと思います。
このお手軽にとれる鍼灸のみの学校は、正直言ってやめたほうがいいとは思いますねえ・・・・。
まあ、ご実家が鍼灸院をやっていて、嗣ぐべきものがあるなどの事があるのならば別ですが。
3つの資格取得、強いお勧めはこちら
鍼灸は雇用される求人がある仕事ではない。
仕事も雇用される仕事と、そうではない仕事があります。
たとえば、看護師の資格をもっていれば、多くのところで雇用してもらえます。
でも、鍼灸は雇用してお給料がもらえるという職場はほとんどありません。
鍼灸師として雇用され、労働者として、あたりまえの社会保障などの環境の元で
鍼灸の仕事が自由にできるのは、ほとんどないと言っていいかと思います。
ときに、雇われているようにみえても条件を伺うと、
え?って思うような厳しい条件だったりします。
鍼灸の仕事、求人はない
鍼灸師は、基本的に、求人はない資格です。
看護師さんは、基本的に免許取り立てでも求人があり、職業人になれます。
この違いをしっかりと把握しなければいけません。
とくに厳しいのは学校卒業したてでしょう。
看護師さんは学校を卒業すれば、すぐにどこかが雇用してくれ、ひよっこながら組織で教育されながら一人前になれます。
鍼灸師はそんな環境はまったくありません。自分で鍼灸できる場を作り、営業し、顧客をとり、マネタライズしなければなりません。
臨床経験もないのに、そんなことができるのか?
それが現実です。そしてこの2,3年、いわゆる修業時代をどうするのかが大きな課題です。
私の3年間の鍼灸学校、つづく4年の修業時代(7年間ほぼ無給)
鍼灸学校は学費を払います、そして続く4年の修業時代も、ほぼ『気持ち程度』をいただくことはありましたが、社会的には無給です。私はサラリーマンの夫がいましたので生活はなりたっていましたが、同時期に修業していた人は、夜の箱根にマッサージのバイトにいくってのが定番でした。
マッサージ師の場合は雇用がありますので、このバイトができます。
私は、鍼灸学校を卒業後、友人が治療院を立ち上げる手伝いを頼まれたり、弟子入りできる大学病院での研修生募集についての声がかかるということもあり、学校の3年に続く修行の4年、
つまり7年間は、ほぼ無給。自分で一人立ちして稼ぎ出せるようになるまで、無給ということです。
マッサージ師の資格は雇用される可能性のある資格
全段でも書きましたが、マッサージの資格があれば、雇用されることもあります。
しかしながら、それはマッサージの仕事です。あなたがやりたいのがマッサージの仕事だったらOKです。鍼灸がしたいということと、雇用されたいということは両立しないのです。
マッサージもどきが、無資格で可能な現実
そしてマッサージが資格があれば雇用されると書きました。が、資格であるあん摩マッサージ指圧師の仕事は、手技療法の範疇に入り、手技は整体やリラクゼーションという名称であれば、無資格でもできます。私は正直言って整体やリラクの方がで非常に技術が上手な方々が多くいらっしゃるのをしっています。もし、あなたが手技をやっていきたいのならば、この現状がある中、わざわざマッサージの資格をとり、マッサージをする必要があるのかと思ってしまいます。
鍼灸師には開業権がある
鍼灸師には開業権があり、自由に開業できます。
これは多くの医療職の中では、案外特殊で、薬剤師やリハの方々がこのために
資格取得をするという事も聞いたことがあり、それは納得です。
でも、開業するってことは、それなりに資金がかかります。
自力で営業が必要です。
ここがポイント、もし雇用されたいという希望ならば、鍼灸という資格は道が違うのかも知れません。
よーーーく考えてくださいね。
鍼灸師になっても、何をしたらいいかわからない。だから高額セミナー
鍼灸の免許を取っても、昔で言う弟子入りの場もなく、他の医療職のような
雇用されて職になれていくという場もない鍼灸の現状。
そもそも、鍼灸なんて社会のニーズ的にはとってもレアで、マネタライズが非常に厳しい資格だと思います。その資格取得のために、学校に3年も通学拘束され、卒業して得られるのは国家試験の受験資格(^^ゞ。そのご国家試験を通り、面教を登録してやっと土俵に乗れます。
多くの人が、鍼灸のみでいくことにはならず、マッサージもどきでマネタライズしているという現状をみると、そもそも鍼灸の資格って必要?と問いたくなります。
それでも、まあとってしまった鍼灸資格。どうしようと眺めていると、高額セミナーに行き当たる人がいるようです。この相談もよく受けます(^^ゞ(^^ゞ。
高額セミナーは、学んだ感up、こんなに仲間とやってます〜感満載。
マネタライズこんなにできますかん、もりもりです。
でも、あえていいたい。そんなのいって、儲かるようにはなれんからカモになるな!自分の持っているモノでマネタライズ出来ねば、新しいモノを入れても無駄!といいます。
なかなかマネタライズしにくい鍼灸。それならば、鍼灸をマネタライズしたがっていーる人をターゲットにというのが、昨今のセミナー商法なのかなあと。
勉強会は必要です、長く学び続けていくことは必須です。でも、そういった商売に乗っからないでほしいです。学ぶことは基本的に自分でし、導く仲間がいればいいのです。そういったところには、ガツンと支払う高額な受講料なんてないですねえ。鍼灸師会や鍼灸学会にまず入り、見つけてみたらいいかと思います。
カモになっちゃだめだよん
学校やセミナーはエンタメと割り切ろう!
学校入学や、セミナーは、課題を提示し、相手のモチベをあげ、勉強した感を出すプロだと思います。
学校やセミナーにいくことが、短に学ぶことだけだったら、パンフレットなど破り捨て、なんのために学びたいのか、何を学びたいのかを煮詰めるべきです。
本当にその資格が意味するところを理解し、学ぶ必要、資格を取得する必要を振り返った方がよいと思います。雇用がないということもしっかりと押さえるべきです。
手持ちで学べるものを学び直したりし、その上でそこに行きたいのならばどーぞとお伝えしてます。
だって、そうしないとカモなんだもん!。