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22 気血津液は、場の設定を意識するのがまず第一

22:気、血、津液の病機

東洋医学では、気虚、とか、血虚。そして肝血虚とか、腎気虚などなど、言葉が案外複雑に絡み合わせてつかわれています。この何気ない言葉の乱用が話しを難しくするのですが、大前提は場の設定です。

この場の設定を意識し、その言葉がどんな場の設定によって使われているのかを考えると、見ててくるものが違ってきます。

ということで、気血津液の病機。

これは、まず気血津液とそれぞれの場で、まるごと一つの身体を3つの場にわけて考えることがスタートです。
そして、この3つと臓腑がいろいろに絡むのでわかりにくくなりますが、どの場を前提として考えているのかということを踏まえて考察していくことが大切だと思います。そうしないと、大きな場と小さな場。違う側面から考えている場を混乱して用いてしまい、目の前の人をしっかりと見ることが出来にくくなります。

さて、3つわけていきますね。レッツスタートです。

22−1 気の病機
22−2 血の病機
22−3 津液の病機

胸の真ん中に、膻中(だんちゅう)。ツボ話

膻中というツボがあります。

ちょうど胸の真ん中

ある症例で、脾気、肺気を補い全身の気虚を救う、そののちに腎気を補い妊娠への道を開くという目的をたて、
その初診で使いました。(0002)体調が全体によくなるなか、4ヶ月ほどで妊娠、無事の出産へとつながりました。

膻中だけを使ったわけではありませんが、かなり全身の気虚がきつく、アトピーなどの状態も悪化。妊娠どころではないという
状況でしたが、気虚という全身の虚損状態の中、気を張って頑張りすぎていた状況がちょっとの手助けで、ほっとしたのか、無事に4ヶ月ほどで妊娠へとたどりつきました。

1)左湧泉ミニ灸 膻中7 気海10 右内関、左公孫 三陰交灸頭鍼

この組み合わせ、膻中ー気海は任脉という身体の中央を臍(おへそ)を挟んで上下で結びます。

膻中は、気会とよばれ全身の気が会すると考えられています。
使い方によってはとても強烈な刺激になります。
私はこの3つを結ぶようなイメージで、身体の上部に鬱滞しがちな気を動かし、ほっとさせて全身の巡りを
よくする。臍、気海とあわせ使うことでその動きをゆったりとしたものにするというイメージを持って使っています。

6.気血津液の相互関係

6.気血津液の相互関係

気血津液は相互関係が考えられています。
ただし、気、血、津液はどれも水穀の精微(食べ物)から出来ていると考えれば、さほど難しく考える必要もないかとは思います。

このあたり、東洋医学独特の言葉遣いに慣れるんだ程度の把握でよいかなとも思います。

気は陽に属し推動温煦作用がある
血は陰に属し、栄養、滋養作用がある。(津液は血液を組成する成分という考え方から津液も含めて考える。血液の脈管買いにしみ出すモノが津液)

気は血を巡らせる。
血の循行:心気の推動作用、肺気の散布作用、肝気の疏泄作用
気は血を摂す:固節作用

整体の先生はなぜ「このままじゃ歩けなくなる」の類のことばかり言うのか?

整体やカイロ。私も昔だいぶお世話になりました。

私は中学時代からのひどい腰痛持ち、整形外科は沢山。
そして他の民間療法も沢山試しました。

この方の

”整体の先生はキツイ人で、「このままじゃ歩けなくなる」の類のことばかり言われウンザリした。”

このお気持ち、すごくわかるのですよね。
それと同時になぜこんな「このままじゃ歩けなくなる」というような台詞がでてくるのかもわかります。

なぜこんな「このままじゃ歩けなくなる」というような台詞がでてくるのか

確かに、”形、形態”を見るという観点から考えると、
ここが理想の形と歪んでいる
もっと反るべきだ、もっと倒れるべきだなど
そしてこの形のままではもっと歪みがきつくなり、歩けなくなるに
つながるのでしょう。

私も多くのこういった助言を受けてきました。

自分自身が東洋医学的な世界に身を置くようになって思うのは、形は結果。

確かに90歳のおじいさんが結果によって歩けなくなることは
おこっているのでしょう。でも、この結果はある意味「人間としての自然の流れ」です。

私が彼女をみて思った現時点での問題点は、気の上逆でした。
その気の上逆を調整するときに土台の力(腎気)もやはりつけていくことが大事です。
この土台の力(腎気)をつけようという方向に考えているのが整体の先生の
仰ることですね。でも、たぶん、仰ることとやっていることは違います。
ここが私が長らく東洋医学をやって自分なりに得た結論です。

土台の力(腎気)をつけることは地道なことです。
そしてこれが必要ということもよくわかります。

ただ、治療においてこの問題に軸足を置くべきか(ゆかりさんの場合、80才になったらおこるかもしれませんが、36才の現時点では一番の課題ではないですね)を検討し、土台の力(腎気)をつけるのであれば、私自身が患者として言えることは、整体よりも、漢方、お灸温灸、日常生活指導のほうが効果的だということです。

整体の先生が仰っているのは人間としての自然の流れ。

そして私たちが把えなければならないのは、人間としての自然の流れを踏まえた上での
現時点での課題です。

こんなところが、患者道(^^ゞが長い、米山の実感です。