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目の奥が痛い頭痛、流産後の体調不良を立て直し自然妊娠(31歳出産)

東洋医学的診立て

頭痛、辛いですねえ。体調が悪いと、色々なことがスムーズに行かないですね。少し、お身体について考えてみましょう。

目というのは、体の上部にあります。ものをみるというのは、気血が集中して集まりまることが必要です。それだけ、力がいるのですね。Tさんは、この集中というのが、苦手なんだと思います。集中すると、集中しすぎてしまって緊張になるのですよね。

緊張してしまうと、体全体の巡りが悪くなり、その場処(目)に、気血が凝り固まってしまい疲労してしまいます。この凝り塊と緊張がTさんの頭痛の原因です。緊張がなく、絶えず気血が流れ込み、スムーズに栄養が取りこまれ、いらないものを運び去ってくれれば、目の疲労も回復しやすいですし、集中によって集まった気血も、自然な流れにのって解消していくわけです。

また、緊張するということは、体の力を余計消費することになります。手で壁を押してみて下さい。壁はみじんも動きませんが、手は力が入って筋肉は緊張しているので疲れますよね。これをずっと続ければ、血の巡りも悪くなってしまいますね。こんなことが、体の至る所でおこっているわけです。なんと無駄な体の使い方という感じがしちゃいますよね。こういった状態ですから、日常を送るだけでも疲れてしまうと言うのはよくわかります。

この緊張は、もともと緊張しやすいタイプであるということも一つの理由ですがもう一つには、腸や、目や、子宮などの女子胞それぞれの場や支えとなる土台の力(腎気)の力が少し弱いということもあります。弱い場所をカバーするために気血が集中して集まってしまうのです。そして集中して集まるので、緊張する、凝り固まるということになり、悪循環となります。

土台の力(腎気)を補って、体をたてなおし、まず流産前の状態まで持ち直していきましょう。このことで自然の妊娠も期待できると思いますし、目の奥の頭痛も軽減していくと思われます。あまり目先の症状に捕らわれずに、がんばってみましょう!!

東洋医学的弁証論治
弁証:脾腎両虚
論治:益気補脾補腎
治療方針:まず第一に腎気を救い、第二に脾気をたて気を増す。

治療経過

初診から週に2回の頻度で鍼灸治療スタート。8診ほど経過して体調がよく、生理前の不調がない。両親も喜んでくれている。この一ヶ月痛み止めを飲んでいなかった。38診にて妊娠、無事に出産。おめでとうございます。

あとがき

早く妊娠したいというご希望でした。このために、不妊治療そのものよりも、体調をアップさせる治療を優先し、結果として素早い妊娠につながりました。体調がよくなっての妊娠でしたので、ご本人にとっても、自信を持って日々をおくることが出来たと思います。妊娠したいというご希望があると、どうしても、妊娠、妊娠と考えがちですが、急がば回れということも真実です。よい結果につながるといいですね。