カテゴリー : 不妊・婦人科の症例集 30代前半 二人目不妊

冷え性での二人目不妊(32歳出産)

概要

もともと強い冷え性があり、一人目出産後より冷えが強くなり生理周期が遅れがち、低温期が長く、高温期が10日ほどになってしまった症例。ぐっと女子胞(子宮)を中心に暖め養うことで初診から数回の治療で妊娠に致りました。

(この症例の弁証論治→二人目不妊の弁証論治
【case:0051】

ご相談内容

『32歳です。二人目の妊娠を希望してから1年半たちますが、なかなか妊娠できません。28歳で結婚し、すぐに妊娠出産しました。1年後に断乳してからすぐに妊娠を希望していますが妊娠できません。

子供の頃からしもやけが出来るほど手足が冷たい冷え性です。クーラーが苦手で、冬は特に辛いです。大人になってからできなくなっていたしもやけが、一人目の妊娠中から再び出来るようになってしまいました。

生理前には腰が痛み眠気がでてきてしまいます。生理には塊がまじります。出産後から28日周期だった生理がなかなか排卵が来ないのでおくれはじめ、高温期も10日ぐらいしか続きません。

どうしたら妊娠出産出来るでしょうか?病院にいって、人工授精や体外受精を考えた方がよいのでしょうか?』

東洋医学的診立て

一人目は結婚後すぐに妊娠し、無事に可愛いお子さんを授かったのに、二人目の妊娠がなかなか成立しないのですね、上のお子さんとの年齢差も気になると言うことですから、早く妊娠できるといいですね。

Sさんの場合は、出産後に、妊娠に深く関係がある生命の土台の力(腎気)をぐんと落としてしまったことが原因であると思われます。出産は女性にとって大きく気血を虚損し、しっかりと立ち直らなければならない時期です。この立ち直るためにはもともとの生命力の充実が望まれますが、若い頃から冷え性があったり体重の増減があるお身体であったので出産が負担になり、生命の土台の力(腎気)を損なってしまったと思われます。

妊娠は子宮(女子胞)でおこりますが、この女子胞は、腎気によって暖めやしなわれていきます。ストレスも強いようですから、鍼灸で調整しながら、がんばって妊娠に向けて身体を整えていきましょうね。

東洋医学的診立て
弁証:腎の陽虚を中心とする、腎虚肝鬱
論治:温腎補陽 疏肝理気
治療指針:第一に腎の陽気をたかめ、身体を温養する。生理周期に伴い、必要に応じて理気し全身の気血の巡りを改善し妊娠へと導く。