カテゴリー : 不妊・婦人科の症例集 30代後半 不妊

玄米をやめて白米に、血流アップで妊娠、出産(39歳出産)

概要

全身のパワー不足である気虚が明瞭で血流の悪い状態の方が、細かな手入れで様々なことをすり抜け、無事に妊娠、出産に至った症例です。
(この症例の弁証論治→不妊 不育 肩こり 腰痛 38歳 中背 痩せ
【case:0154】

ご相談内容

結婚して2年経ち、体外受精などに挑戦していますが、なかなか妊娠しません。現在38歳です。昔から胃痛がしたり、足にしもやけができたりしています。35歳過ぎから疲れやすく感じることが多く、結婚を機にフルタイムの仕事からパートタイムにかわりましたが、やはり体調が今ひとつすっきりしません。

身長163cm、体重48kg(BMI18.07)ですが、虫垂炎で体調を悪くした時にはもっと痩せてしまいました。卵巣に子宮内膜症や膿腫があり自然妊娠がなかなか成立しないので体外受精に挑戦していますが、異常受精やせっかく移植出来ても化学流産に終わり、前に進みません。どうしたらいいでしょうか?

東洋医学的診立て

妊娠したいというご希望ですね。せっかくお仕事を辞めて、身体に無理のない生活をと心がけていらっしゃるのに、今ひとつ体調が良くないということですね。肩こりから起こる頭痛がひどいということですが、お身体を拝見すると全身の気虚、つまりパワー不足が顕著です。つまり、肩こりや目の奥の痛み自体が問題ではなく、何かをしようとすると、そこまで集中しなければできない『全身のパワー不足=気虚』が問題なのです。

この全身の気虚は、骨盤内臓器においては、巡りの悪さを引き起こし、血の流れが滞りがちになり、内膜症や膿腫、そして妊娠しにくいという状況にもなっていきます。東洋医学の世界では、肝心脾肺腎という5つの臓器から生命を考えていきます。全身の気虚を救うためには、身体の表面上部を主る肺、胃腸を主る脾、土台の力を主る腎から考えていきます。今回はまず第一に腎から考えることが大切だと思われます。生命の土台の力をつけ、全身の気虚を救い、体調をより良くして妊娠に向けた身体作りをしていきましょう。

具体的な生活の提言をしておきます。生命力をアップさせ気虚を補っていくために大切なことです。

1)睡眠をしっかりとること
2)お食事を丁寧にしていくこと
3)毎日の自宅施灸をしていくこと

妊娠に向けての具体的なアドバイスとしては上記に加え、以下のようなことも大事です。

4)体重をBMIで18.5以上にしておくおと
5)年齢要因(現在38歳)を加味し、体外受精への挑戦は、あまり時間をあけず、身体作りと並行しておこなっていくこと
6)血流を良くするために、休養と、ウオーキングなどの軽い運動を行うこと
7)妊娠したら、初期の段階でしっかりと血流をあげるような対策をしていくこと

頑張って行きましょうね。

東洋医学的弁証論治
弁証:腎虚を中心とする気虚瘀血(おけつ)
論治:益気補腎 活血化瘀
治療方針:肺、脾、腎ともにに弱りがあり、全身の気虚が明瞭である。まず第一に中心の課題である腎気からアプローチし、全身の補気をしていく。これで腎気がたちにくければ、肺脾から手を入れてく。瘀血(おけつ)そのものは現時点で問題となっていないので、直接的なアプローチはせずに、気虚を救うことで活血化瘀していく。