カテゴリー : 不妊・婦人科 コラム

排卵から着床、妊娠初期を乗り切るために(着床障害、血液凝固系、不育症)

着床を助ける工夫

着床の時期は少し特別な時期です。卵子と精子が出会い、受精卵となり卵管で育まれ、子宮の内膜にスルリともぐりこむ。これが着床です。

このときに、身体全体にストレスがなく、全身の血流が気持ちよくめぐっていることがポイントです。当院では、この着床の時期を見越して、着床のための鍼灸治療をおこなっています。

卵がふわりと着地し、根を下ろしてくれるようにと願っています。

妊娠判定日βhcg7.5から出産にこぎつける

『先生!今日判定日だったんですけど、βhcg7.5でした。どうしたらいいでしょうか?』T子さんは病院を出てすぐにお電話をくださいました。
『先生はなんておっしゃっているの?』
『この数字だと、奇跡でもおこらないと無理ですね~って。ダメなんでしょうか?』
『とにかく次の判定日まで粘ってみましょう。』
『はい!』

24今までβhcgが11とか15とか3.5とか、20以下の場合は正直なところやはり難しく、次の判定日には数字が落ちてしまうことが多いです。淘汰と言う文字が頭をかすめます。

しかしながら、ここで粘って上手く行ったケースも時にあります。今までに最低の数字がこの7.5の方。東京の有名クリニックで凍結胚盤砲移植。一週間後の判定日でこの数字ですから、ドクターの仰る通りでしょう。しかしながら、奇跡がおきて、この妊娠は継続し無事に出産なさいました。

去年、βhcg11で妊娠判定日を迎えた方は、それまで何度も体外受精に挑戦し、玉砕していました。彼女にとってはこの数字でも今までで一番よい数字でした。

『粘りましょう』ということで毎日通っていただきました。そして次の受診日には『数字が充分跳ね上がっているって言われました!!』とのこと。慎重に多めの治療頻度で妊娠初期を乗り切り、無事に出産なさいました。

粘ってみましょう!!

9週の壁

『心拍確認は出来たのですが・・・・』
初診の問診をしていて、こんなお声を残念ながらよく聞くことがあります。残念でしたねえと私もため息。なんとか、この9週の壁を越えたいです。

・着床してから、妊娠のごく初期の動脉シグナル→卵黄嚢に。
・妊娠8-10週になると、この卵黄嚢腫循環が消失し、臍帯胎盤循環が始まる。

すなわち、この8-10週の時期に胎芽への血流が変わるわけです。ここが転換点、しっかりと母体との血流を絨毛間腔を通してもっていくことが出来るか否かが妊娠の継続に係わってきます。そしてこのポイントも母体側の血流です。血流という言葉を使うとイメージが少しぶれますが、血液凝固系の問題を持っている方の場合はここが問題となるわけです。