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産後の不調 – 不妊!大作戦(8-7)

産後の不調

出産は、大きく生命力を損ないますが、生理的な範囲として飲み込むダイナミックなからくりがあります。

母乳を吸わせることで肝気がたち、腎の器が引き締まり子宮が収縮し悪露が出て、全身の回復が促されるというリズムです。

このリズムに乗ることで、自然と生命力を回復し、妊娠出産前の状態に戻っていきます。

しかしながら、出産が大変だったり、産後の生活の無理がでて、生命力の土台である腎気が回復できない場合があります。

これが産後の不調と呼ばれる状態になります。
出産で傾いた生命力が回復できないままの状態になってしまったということなのです。

産後の不調がつらいわけ

産後には、自然と生命力が回復するように仕組まれている時期があります。

この時期をのがすと、一番大事な生命力の土台である腎気が大きく損なわれたままになってしまいます。回復すべき時期に回復することが大事なのです。

身体の生命力の土台である脾腎の力が不足したままの状態で、なれない赤ちゃんとの生活、昼夜をたがわぬ育児、増える家事、精神的な孤独感。

身体の土台の力があれば、なんということもなく、対処できることが、支えがないために、回復しがたいダメージとして、問題を深くしていきます。

心身の不調、うつ、関節の痛みなどのリウマチ様の症状、喘息、慢性疾患の引き金に出産があるのは、出産という大きな気血の傾きから腎気という土台の回復がなされなかったことによりおこってきます。身体の土台が損なわれた虚損病という側面をもつため、長く治り難い症状となっていくのです。

出産から、2、3ヶ月たち、周りのサポートも少しづつ手が引かれ、いつもの生活に戻りほっとしたところで、身体の虚損を大きく感じられる方が多くいらっしゃいます。

『気がついたら、なにもする気がなくなってしまって動けない』

『朝や夜中の授乳のためにおきると、体中の関節が痛い』

こんな状態がはじまることがあるのです。

産後の不調の回復のために

この産後不調からの回復には、生命力の土台作りから手をつけなければなりません。赤ちゃんがいて、お母さんの手入れはなかなか出来ない時期ですが、なるべく生理的な回復時期(産後早い時点)、からだが回復しようとしている時期に手入れをすることをおすすめします。

また、赤ちゃんが生まれたということで、ご本人も、そして周りの方々にとっても、大きな喜びに包まれ、あれこれと気持ちが盛り上がってしまう時期でもあります。本来は、お母さんは赤ちゃんとともに、静かにゆっくりと回復していくべき時期なのです。

赤ちゃんが生まれたことで、周りもご自身もがんばり、はしゃいでしまいがちですが、回復のリズムに乗ることが一番大事だということをしっかりと頭に入れておきましょう。
お母さんの健康は赤ちゃんの大きな宝です。