カテゴリー : 学会・論文

第62回 全日本鍼灸学会 講演記録『着床、妊娠、心拍確認に至った難治性不妊症への鍼灸治療』

【結語】

14_2
弁証論治は、物語として人生を把え、その人生の文脈をよみとり、東洋医学的な観点から課題をとらえ、未来への道を展望していきます。

難治性の不妊の場合は、『不妊』という観点だけではなく、全人的にその方をとらえアプローチすることがとても大切だと思われます。このときに、過去から現在を東洋医学的な観点で読み解き、未来への展望をいだき、治療目標をはっきりと把え、中心の課題を見つけて計画性をもった弁証論治による人生の物語を応援する治療が必要であると思われます。

西洋医学による攻めの治療である体外受精

この体外受精による不妊治療でも、なかなか妊娠、出産が成立しない状況があります。そういったときに、東洋医学で身体作りの底上げをし、無事に妊娠、出産へと致ることが出来るケースもあるのではないかと思われます。

不妊治療を、『不妊』という”パーツによる不都合”ととらえるのではなく、全人的な観点から応援することが東洋医学に求められることではないかと思います。正面から向き合って身体作りをする、物語を読み込む必要性をこの症例を通じて感じましたので今後の検討課題としていきたいと思います。