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第29回 山下湘南夢クリニック不妊治療説明会 講演記録『不妊と鍼灸、東洋医学』

第29回山下湘南夢クリニック不妊治療説明会(2013年2月23日)講演記録
『不妊と鍼灸、東洋医学』ビッグママ治療室院長 米山章子

皆様、こんにちは。私は神奈川県小田原市で不妊専門の鍼灸治療をしております米山と申します。

本日はお時間をいただき、『不妊と鍼灸』というテーマで皆様にお話しさせていただこうと思っております。この世界に入って20年になろうかとしています。また不妊治療とも長らくのおつきあいになりました。体外受精(IVF)のサポートも長らくさせていただいております。

今日は、東洋医学的な観点から、女性の身体、妊娠について考えることを通じて、具体的な身体作りや、『何が貴方の妊娠にとって必要なのか』ということを考えるヒントを皆様にお話しできたらなあって思っております。よろしくお願いします。

ネットにあふれる情報から、『あなたの不妊状態に必要な物は?』

妊娠したい、さてどうしたらいいんだろう?と思ったら情報を探しますね。 いま、沢山の情報があふれるように存在しています。

インターネット、テレビ、本、タレントさんの体験談。また、周りの方々から口コミ情報も・・・ たくさんありますねえ。

特に最近では、NHKの『卵子の老化』という話は衝撃的ではないかと思います。 確かに年齢を大切にすることは生殖にとっては、基本の基本。大事なことです。 しかしながら、タレントさんの体験談では、45歳で妊娠した!出産したと言うお話や、 50代の出産のお話もあります。

ちょっと不思議ですよね。35歳で卵子老化といわれながら、45歳で出産。 まあ、50代の方の場合は、また事情が違うのかもしれませんが、 いったい何歳まで産めるの?と考えると、謎に包まれてしまいますね。

こういった情報は、もう少し整理して考えなければ、 『あなたの不妊状態に対するヒント』にはなりません。

たとえば、いま貴方が38歳だとすると、『35歳で卵子老化!!??じゃあもうダメだ』になりますし、『45歳で出産可能?それだったら、まだまだ余裕、治療は先延ばしに出来るわ』とも考えられてしまいます。どちらも、なんか『ちょっと待って!!』と思います。

35歳で卵子老化は事実でしょう。 実際に不妊治療に入られた方は、『年齢の壁』を痛感している方が 多いと思います。また実際のデーターでも、35歳、37.5歳、42歳と大きく 妊娠、出産率が下がっている数字をみます。 年齢というのはとても大切です。

では、38歳の方は 『もう、妊娠出産なんて無理?』なのでしょうか? これは、実際に45歳での出産体験があるわけですから、『もう無理?』って ことはありません。

どのように考えればいいのでしょうか?? この点を後ほど、東洋医学的な観点からお話しさせていただきたいと思います。

いろいろな情報は、
・あっちの病院がいいわよ
・漢方を飲んでみたら効く?
・鍼灸が不妊にはいいみたい
・ザクロのサプリ、あれこれサプリがはどお?
・運動が大切、食事はこれこれ

などなど、本当に沢山の情報があります。

ここで一番大切なのは、『貴方の不妊状態には何が必要か?』という ことです。

うちは鍼灸院です、どちらかというと『自然な妊娠』に拘わっていらっしゃる方が 多いです。でも、そんな方々とカウンセリングさせていただき、東洋医学の四診 (お話を伺ったり、お身体を拝見したりすること)を通じて、情報を整理することを 通じて、

『東洋医学よりも、西洋医学優先で!!』

とか、高度生殖医療なんて考えてもみなかったという方々に、

『早めの体外受精をご夫婦でしっかりと考えて!!』

と、強くアドバイスさせていただくことも多々あります。

目の前の、この方の不妊状態を解決するには、何が一番大切かを 私なりに考えた中から出てくるアドバイスです。

不妊治療、答えはひとつではありません。 いろいろな考え方、やり方があるのは十分承知の上です。 ご夫婦で納得なさった選択ならばそれは一番尊重されることです。

でも、情報が偏ったり、少ないことによって、 一番妊娠の可能性が高いと思われる選択をなさっていないのならば それはとてももったいないことです。

妊娠にむかって、遠回りをしてしまうことは、途中のストレスなどで 『もう不妊治療なんて無理・・・』と力がつきてしまうこともありますし、 そのあいだの年齢要因がアップすることで、妊娠がより遠ざかってしまうことがあります。

貴方にとって、一番必要なこと、優先順位をたかくすべきことはどんなことなのだろうか? 急がば回れということもよくあります、ただただ焦って、治療を繰り返すだけでは ダメなこともあるんです。

何が必要か?
優先順位は?

大事なテーマだと思っています。