カテゴリー : 学会・論文

第64回 全日本鍼灸学会 講演記録『女子胞力を増すことによって、妊娠出産に至った一症例よりの考察』

主訴 時系列

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幼少時期 気管支肺炎になる

冷え性は中学ぐらいから夏でも寒くてプールに入るのがいやだった。

20代始め
 若い頃から、だるい、ねむい、寝付きが悪い、尿の状態、便秘の問題、手足の冷たさがあり現在も継続している。
 春になると咳喘息がはじまる(ここ1,2年は出ていない)
 後ろを向くと首が痛くて通院していた

30歳 
 階段の上り下りで股関節が痛くなる(レントゲンでOK、湿布で対応)

32歳
 だんだん疲労感や疲れがきつくなる

36歳結婚
 実家にいた頃は夕飯にはご飯を食べていなかったが食べるようになった
 →1年で6キロ太った(結婚前50kg、56kgへ)
 →ふくらはぎに違和感(悪化している)
 →生理に親指大の固まりがまじりはじめる
 →化学流産2回
 ときどき股関節ががくがくする

現状:自力で2回ほど妊娠出来た。しかしながら化学流産となってしまい、その後1年妊娠が成立できない。

妊娠する力はあるものの、継続できないと言うこと。そして現時点では妊娠が成立しにくくなっている状況が浮かび上がってきました。

病的肝木の図

五臓の弁別、病的な女子胞力の図

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この図では、一本の木を、5つの要素+女子胞という観点から眺めています。

図では大きなものだけ表示してありますが、問診からは以下のように詳細に拾い上げていきます。四診から得られた情報を、大きく掴んでざくっと弁別してみるわけです。

【女子胞】 
化学流産2回 妊娠しない、生理に塊

【肝】
生理に親指大の塊
化学流産が2回
舌裏怒脹きつい
少腹急結あり(左あり、右きつい)
左胆経冷えこそげ

【心】
右神門はれ
右内関陥凹
養老冷え
神道陥凹

【脾】
ここ1年で体重が6キロ増えた(37歳)
季節の変わり目がつらい
食後に腹が張ったり胸焼けがよくある。
最近はとらないようにしているが、間食はよくある
水分を1000cc以上とる
大便は7日に1回、便秘を繰り返し硬い便が出た後は必ず下痢する
大便が出きらない感じがよくある、きつくにおう
舌の中央部に剥苔
脾募薄くアリ
中脘硬い
気海冷え
臍周膨らみあり、引いてくる
三陰交陥凹、動きが悪い、左は冷え
陰陵泉つぱり
左脾兪陥凹、左胃兪陥凹トップ

【肺】
大椎まわり細絡あり(位置により弁別)
幼児期に気管支肺炎
ここ1,2年はおこっていないが春になると咳喘息
合谷動き悪いゆるみの奥がつっぱり
列缺こそげ

【腎】
デスクワークで一日座っているのが辛い(腰痛)
寝ているときにふくらはぎに違和感があり寝られないことがある
腰痛は昔からよくおこっている
冷え性は中学ぐらいから夏でも寒くてプールに入るのがいやだった小便は1日10回以上
残尿感はいつもあり、ずっと座っていればいくらでも出る感じです
2年前に病院に通院したけれどあまり症状はかわらない
夜間排尿は必ず1回は行きたくなる。
最近ひどく5時ぐらいにトイレに行きたくて目が覚める。
寝る前は立て続けに3回ぐらいいく。
寝付きは悪い、夢をよくみる、寝起きが悪い(朝が弱くなかなか起きられない)
3,4年前から翌日に疲れがのこることがよくある。
化学流産が2回
手足が冷たい
30代から階段の上り下りで股関節が痛くなる
裏肝の相火きつい
気海から関元にかけて抜け
陽池冷え
左湧泉冷え、やや張れ
左三焦兪陥凹
懸樞やや冷え
左大腸兪やや陥凹
左次髎ややつまり

気虚
脉の輪郭が甘い
列缺こそげ
舌の剥苔