カテゴリー : 講演記録

2015年 山下湘南夢クリニック講演『女子胞力を磨く、東洋医学鍼灸で出来ること。』

3 今の状態を知る。4つの図

左端の図、これは、今まで説明しました、一本の健康なイメージの図です。さてこの健康な木が色々に変化していきます。

上段右の図です。これは気血両虚の図。大地はやせ、泉も枯れがち、心の光りも薄暗く空気も薄い状態です。全身の気血が不足し、心身共に疲弊している状態です。大地を養い、底力をつけ、全身の生命力を地道にアップさせていくことがのぞまれます。

右下の図、この図は一見すると元気そうな!!図です。脾腎の大地はしっかりしています。

しかしながら、枝葉が茂りすぎて、風も中に入っていけませんし、光りも隅々までは届きません。まるで交通渋滞を起こしてしまっている様な木です。ストレスが一杯で枝葉が混み合い絡み合ってしまっているのです。こういった木は、枝葉を気持ちよく剪定すると、するすると絡んだ糸がとけ、全体の循環がスムーズにおこり、健康な状態になることができます。

「諦めた途端に妊娠した!!」
「旅行にいったら妊娠しました」
「泣きはらしたら妊娠したんです」

などというタイプ、また鍼でも、数回の治療で妊娠しましたという方が案外多くいらっしゃいますが、それはこのタイプです。ストレス状態によって生じた枝葉の絡みをといてあげることがとても大切なタイプです。また、大地に問題はありませんから、その問題さえ解決すれば、あとは問題なく経過します。

そして、右下の図。

これは先ほどの図と同じように、天空の枝葉がみっしりと茂り、渋滞している様な状態です。しかしながら、大地も痩せがちで、根っこもひょろひょうろ。支える大地の力が不足しがちな中、ご自身の意思の力で頑張ってなんとかしようと枝葉をはって頑張っている図なのです。

この図は、ストレス状態と体の力不足(疲労)のなかを頑張って日々を生きる現代人が陥りやすい状況です。また、年齢要因(加齢)があるなかの不妊治療でも陥りがちな状況です。具体的には、疲れ、疲労感、イライラ、整理の高温期が辛い、冷え、生理の量が減っている、内膜症、筋腫がある。妊娠については、卵が取れにくい、生長が遅い、よい卵がとれにくい、精子の状態が悪い、FSHが高め、妊娠が継続できないなどの訴えとなります。

簡単に3つに分類して、今の状況をおはなししました。まず、今の状況をしっかりと把握して、ご自身の不妊治療には何が必要なのかを考えていきましょう!