カテゴリー : 講演記録

2007年 山下湘南夢クリニック講演「不妊と鍼灸治療」

山下湘南夢クリニック講演「不妊と鍼灸治療」
2007年6月20日

はじめに

2007年6月20日 山下湘南夢クリニックにて、「不妊と鍼灸治療」という演題でお話しさせていただきました。

いけなかったけど、聞きたい~というお声が、いま通院なさっている患者さんから複数いただきましたので、少しわかりやすく加筆しまとめた形で、講演録として残しておきたいと思います。

ご挨拶、自己紹介

今日は、山下湘南夢クリニックの説明会にてお時間をいただき、ありがとうございます。

山下先生は、新宿にあります不妊治療、高度生殖医療の世界で日本一と言われる新宿加藤レディースクリニック(KLC)で人気のドクターでした。私の治療院にいらっしゃる患者さんが、ドクターの指名ができない加藤の通院のなか、「山下先生に診察であたるとお話しを聞いてもらえるし、採卵だととてもスムーズ。あの先生指名で通院できればいいのに」とおっしゃっていました。

先日は私の治療院主催で通院中の患者様を中心に、山下湘南夢クリニックの見学会をもちました。あれよあれよという間に12人も希望の方があつまり、みんなで一緒にわいわいと遠足気分でお邪魔させて頂き、丁寧にクリニックを見学させていただいたうえ、山下先生に直接沢山の質問をさせていただきました。みなさん不妊のクリニックで聞けないことが沢山聞けてよかったと、その後お茶をのみながら、みんなで大いに盛り上がりました。

私は東海大学大磯病院東洋医学科にて3年間、研究研修をさせていただいたり、鍼灸専門治療院の弟子入りしたの日々を過ごし、この神奈川県小田原市の地で開業して13年あまりになります。いまは、毎日鍼灸治療を通じて不妊治療のお手伝いをさせていただいております。とくに、今日お集まりのみなさんのように、IVF-ET(体外受精―胚移植)をなさる方の応援も多くさせて頂いております。

いま、私の治療院に初診でいらっしゃる方の7割以上は35才以上であり、40代の方も2割を超えるのではといったところです。まったくの不妊治療歴のないかたもいらっしゃいますが、IVF-ETを何度も経験済みですという方も多いですね。あちこちの不妊クリニックにて沢山の治療を受けた。だんだん体調も悪くなるのに結果もでていなくて途方に暮れてしまうと言う方も多いです。

初診のお時間が、
 不妊治療に関して病院選びは?
 治療の進め方は?
 いまやっている治療法でいいのでしょうか?

 といった不妊カウンセリングから初診のお時間が始まる方も多いです。

初診のテーマ

初診治療時の大きなテーマは「攻めと底上げの二重作戦」をたてることです。

私は、不妊治療には「攻め」と「底上げ」の二重作戦が大事だと思います。攻めというのは、西洋医学が得意とするもの。IVF-ETなどもたくましい攻めですね。

そして、妊娠には「底上げ」という身体の状態をよくしておくことがとても大切なんです。これが東洋医学の得意とするところです。

この攻めと底上げを上手に生かして妊娠に向かおうということが、私の初診の一番のテーマになるのです。

ですので、「攻め」の方法である、西洋医学の問題を、治療法、病院選び、治療のタイミングなど具体的にご相談していきます。

そして、「底上げ」の方法は、四診を通してお体の状態を東洋医学的に分析して、「あなたの身体の状態から考えた手入れ、養生方法について」を知ることです。

不妊博士というぐらいに「不妊治療の知識」をお持ちの方はたくさんいらっしゃいます。

でも案外「自分自身はみえない」状態で、何を選択していいのか昏乱している方が多いんです。そこで、東洋医学の「底上げ」はこの方針、西洋医学の「攻め」の方法はこんな感じ。不妊の作戦をたてることが初診の目的になっています。