カテゴリー : 不妊・婦人科 コラム

不妊治療~具体的な事例を通じてのアドバイス。『闘え奥さん~』から

戦え奥さん!!不妊症ブギ 最後に。

一本木さんのシェアされた体験をもとに、あれこれ考えてみました。なんだか、ちょっと切ないですね。ご夫婦で一生懸命考えて、そのとき、そのときを過ごされたのがよくわかります。一本木さんご自身にとっては、納得された治療であり、ご自身の人生の体験としてしっかりと受け止め前に進んでいらっしゃる様がよくわかり、頭が下がるばかりです。こうやって、みんなにわかる形でシェアして頂いて本当に有難いです。

いろいろアドバイスとして書かせて頂きましたけど、このアドバイスにしたって、『絶対に子供が授かる』方法ではありません。ほんの少し確率があがるかもしれないといった程度のものかもしれません。妊娠自体が『妊娠しなくても、妊娠できても、それは当たり前の流れの中にあること』であるという側面が強く、結局、未知数の部分が大きいからなのかなと思います。『授かり物』がなぜ授からないのかという答えは、誰も明示することができないのかもしれません。

ただ、不妊治療は当事者のご夫婦だけで考えると、諸処の『事情』にどうしても振り回されてししまい、客観的で冷静な判断が難しくなってくるのかなと思いました。体調のこと、お金のこと、パートナーのこと、自分のメンタルのこと。願いは『妊娠』なのだけど、妊娠だけを考えた作戦はたてにくいと思います。こういうときには、第三者に相談するのがよいかと思います。また、病院のドクターも、バクチのような要素の強い不妊治療で経済的にハードルの高い治療を提示しにくいということはあるのかなと思います。

私は『あなたの目の前にいるドクター』は、その病院で出来る最高の、そしてそのドクターがお考えになる最良の治療法を提示してくれると思っています。ですので、目の前のドクターに、ネットなどで調べた『他の治療法』を相談するのは意味のないことだと思います。ある患者さんが、

 『ドクターに何も質問することなんてないです、ただ『ハイっ!』っていうだけ』

と仰っていて、私は目から鱗が落ちたような気がしました。

病院選びの段階ではしっかり迷いましょう。でも、一度決めたら、素直に『まな板の鯉』になったほうが、ストレスもないですし、結果もよいのではないかと思います。そしてある程度のことをした上で結果がでなければ、そのときが次の決断ポイントとなるのかなと思います。

具体的には、同じ治療法で半年、あるいは、よい受精卵(胚盤胞など)を3回移植してダメだった場合などが目安かなと思います。

まあ、それでも、もう少しの継続でよい結果が出る場合もあります。ある方が、グレードのよい凍結胚盤砲を自然周期で3回移植し、妊娠しませんでした。このとき、どうしたらいいでしょうか?という質問をドクターにしました。すると

 『これが最良最善だと思われます、繰り返すだけ』とお返事をなさいました。

それまでの治療歴が長かったこのかたは、お返事に納得できず『治療中止』を決断されました。しかしながら、過去に沢山の治療法を試していたため、やっぱりドクターが提示した『最善最良』といわれる方法しかないんだと思い再開。そして、その後、無事妊娠、出産までいたりました。同じ方法なのに、なぜ授かるのか、なぜダメなのか。答えは誰が知っているのでしょうかねえ。

参考文献
『戦え奥さん!!不妊症ブギ』 一本木 蛮

テレビ:2012年6月3日 ザ・ノンフィクション 『君を待っている~不妊治療の今~』(フジテレビ)

初出:楽天ブログ「ビッグママの治療家日誌」(2012/09/7-18)、ココログ「ビッグママ治療室」(2012/09/7-17)
「ザ・ノンフィクション」不妊治療の今、一本木蛮さんの不妊治療(1)
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