弁証論治:

0198:39才 体外受精のあとの自然妊娠、出産。

0198:39才 体外受精のあとの自然妊娠、出産。


38歳 女性

主訴不妊、冷え性

36歳で結婚、人工授精を七回、体外受精も三回行い胚移植したが妊娠しない。

子供のころから手足にしもやけができる。

身長160センチ、体重57キロ

普段の状態について

クーラーが苦手 食欲は普通、規則的、食事は美味しく胸焼けや腹脹はない。

間食はアーモンドやおかし、お茶など。

寝ているときに少し口が渇く程度。

咽腫はほとんどしない、烟草は吸わない。

便通は毎日1回すっきりしている。

小便は1日7−8回、ときどき高温期の終わりごろ夜間排尿がある程度。

睡眠は6時間、寝付きは良い、眠りは深い、寝起きは普通。疲れが残ることはない。

初経は11歳28日型で生理は三日間、生理の量は少ない、

高温期にトイレが近くなる。

36歳 結婚、妊娠希望

人工授精を七回

夫婦ともに大きな問題はない。

体外受精

1回目 ゴナール5回(自己注射)ガニレスト3回、クロミッド5日間。

採卵数5,受精卵拡張期の胚盤胞が3つ。3回移植するもまったく着床せず。

2回目 ゴナール、クロミッド、ガニレスト など薬剤同じ。2つしか卵胞が大きくならなかったのでタイミングに変更。妊娠せず。

3回目 薬剤同じ、ガニレスト4回 HCG注射。6個採卵ができ、2回胚移植。妊娠せず

採卵すれば卵はとれ、よい受精卵もできるが、妊娠しない。

体表観察

脉診全体的に輪郭が甘い、尺位の浮位がとくに甘い

舌:やや色褪、暗紅、白苔やや薄め、歯痕あり、舌裏怒脹あり

腹:右の肝の相火、裏肝の相火あり。上脘つまり、右太鼓抜け、関元抜け、腹部温

右内関陥凹、右太淵晴れ、左合谷空洞、右後谿陥凹、

腠理の粗

左は胃兪発汗、左胆兪(トップ)から胃兪大きく陥凹、右三焦兪陥凹

足のむくみあり(不妊治療のホルモン注射がはじまってからむくむ感じがする)

右の臨泣つまり、三陰交冷え充実感がない、陰陵泉細絡あり。

弁証論治

36歳で結婚、西洋医学的には大きな問題がないものの、体外受精で良好胚を何度か移植するが妊娠しないという訴えである。

食事、睡眠ともに大きな問題もない。お体を拝見すると右の肝の相火、臨泣のつまり、舌裏の怒脹、陰陵泉の細絡と、血流の悪さ、滞りの所見が多い。左の胆兪から胃兪の陥凹、右の三焦兪の陥凹と、脾胃の弱さが見受けられる。もともとシモヤケという末端で外寒によって局所につよい滞りをもちやすいタイプであるということより、全身的にも血の滞りをおこしやすいのではないかと思われる。

この血の滞りをおこしやすい素体に、脾胃の弱りがあったり、ストレスによる気滞や、不妊治療による腎気への負担があると、より滞りが明確化しやすくなり、下焦での気滞血瘀が生じやすい状況となりやすく、血流の低下や妊娠の成立のしずらさとなっているのではないかとおもわれる。

二便睡眠に問題がなく、翌日に疲れが残らないという状況は、それなりに現時点で大きな問題はないということと考えられるが、もともとしもやけができやすい素体は局所での寒凝気滞血瘀などを起こしやすい状況であると思われる。妊娠という下焦の血流がより望まれる状況に対しては、腎気の底上げをし、脾気のバックアップをし、気滞を取り去り血オになりやすい状態を改善し、下焦を中心としての生命力賦活化が必要と思われる。

弁証:腎虚 気滞血瘀

論治:益気補腎、活血化瘀

治療方針 腎気のそこあげによって脾気をバックアップし、全身の気滞をとりさり活血化瘀をしていく。

治療経過

38才11月 初診 すでに体外受精の周期に入っている。

1)左外関、右臨泣、三陰交、大巨(温灸)左脾兪、左腎兪、右三焦兪、次髎

施灸指示 大巨、関元、左外関陽池、曲泉、陰陵泉

以降、週に1、2回の鍼灸治療、自宅施灸

2ヶ月後:無事に6個採卵出来、2つ三日目胚で凍結、1つ拡張期にて凍結

4ヶ月後:年齢要因も気になるので再度採卵→凍結胚を作ろうとするもインフルエンザで中断

6ヶ月後:自然妊娠成立、鍼灸治療を週に3~4回にする(12週まで)その後週に2回程度で出産まで継続

無事に39才にて出産 おめでとうございます。

残った凍結胚で、少し落ち着いたら第二子に挑戦したい。

患者さんからのメール

「・・・・中略・・・・この出産まで、本当にいろいろありがとうございました。この1年、私たち夫婦にとって、子供を授かるに当たり、思い出深い一年となりました。しばらく通院は休みますが、年齢が高めの私にとって残った凍結胚は自分たちの心の保険です。またよろしくお願いします」

私からのお返事

「無事に生まれてきて本当によかったですねえ(^^)

なかなか手強い陣痛だったようですが、無事に生まれてきてくれて本当に嬉しいです

きっとなくなられたおばあちゃんが見守ってくださったのでしょう

新しいご家族を迎えて、これから賑やかな日々が始まるのかなと思いますが、

あまりがんばらず、ゆっくりとすごしてくださいね。

病院で頑張りすぎないのが大事ですよ~。

あっという間の一年でしたねえ。

去年の今頃はいろーんなこと(インフル騒ぎとか(^^ゞ)があった記憶があります(^^)

落ち着きましたら、またお越しくださいね。

悪露がある間に一度施術できるとよりよいとは思いますが、このあたりは

赤ちゃんは連れ歩くことが出来ない時期ですので、ご家族の都合などがついたらという

事でよいかと思います(^^) それでは!」