弁証論治:

0008:重度のアトピー、ホルモン剤での不調、体外受精での妊娠出産

….出産後Eさんからのメール

米山先生こんにちは
ご丁寧なメールをどうもありがとうございました。返信が遅くなってすみません。先生にお伝えしたい気持ちはたくさんあるので『ちまちま携帯で打っていられないわ』と家族のパソコンを借りてメールを打ち始めたものの、途中で中断してしまったりでなかなかはかどりませんでした。一郎が産まれてもう17日、退院してもう11日になります。本当にあっという間に時間が過ぎていきますね。

一郎は日中は静かに寝ているばかりなので手がかからなくて助かっています。ただ昼夜逆転してしまっているのか、夜間はおっぱいを飲んでもなかなか寝付いてくれずお目目ぱっちりで布団に寝かせると泣いてしまうので、私もすっかり寝不足で少々ばて気味・・・

先生の仰るとおり、午前に午後に一郎が寝ている間にこまめに昼寝をするようにしています。退院直後はその寝不足がとてもこたえたのですが、ここ数日で随分体力が回復してきたように思います。(寝不足には変わりないのですが・・・)

先生のアドバイス通り、十全大補湯は産前に用意して入院中から服用を始めました。横浜に戻ったら何もかも自分でやらなければならないし、産後の今こそしっかり体力を回復させて後々に蓄えておくのが大事なのかな、と今は親に甘えて楽をさせてもらっています。

私の症例をまとめていただいて、形にしていただくのは私としてもとても嬉しい限りです。自身でも時々読み返して頑張り過ぎずに注意していこうと思います。 確かに入院中は気持ちも高ぶっていたし、夜間の授乳もおっぱいをあげる時間以外は眠ることが出来たのでさほど苦痛に感じませんでしたが、退院して3~4日くらいでちょっと弱気になりました。このような波が逗子に戻って産後2ヶ月目くらいにあるのかもしれないな・・・と感じています。

でも退院後初めて深夜に一郎と二人きりで過ごして、なかなか寝付かない一郎を抱っこして体温と体重を手に感じた時に、 なんとも言えない温かい感情があふれてきて思わず涙してしまいました。新宿の加藤クリニックに不安な気持ちで通っていた時のことを思い出し、本当に無事産まれてきてくれて良かった、とありがたい気持ちでいっぱいになりました。

思い切って体外受精に足を踏み入れたものの、良い結果が出せるのか?、そしていざ陽性反応が出てからもうまく継続出来るのか?健康な赤ちゃんに育ってくれるのか?と常に不安ばかりで、妊娠後も『私の妊娠は体外受精だから…』と劣等感のようなものを感じながら過ごしていました。でも週に二回先生の所に通ったことは、体のお手入れをしていただく以上に精神的にとてもプラスになり、常に親身に時に厳しくご指導いただいたおかげで、とても安定した妊娠期間とスムーズなお産が出来たのだと思います。 

また、大勢の、いろいろな週数の妊婦さんと毎日向き合っていらっしゃるにもかかわらず、私の胎動をとても新鮮に喜んでくださったことはとっても嬉しく思い出に残っています。本当にお世話になり、どうもありがとうございました。

それから蛇足ですが、命名にまつわるお話をひとつ。最後に先生のところに伺ったときにはまだ夫の心の中に秘密にされていた名前の候補ですが、結局私が里帰りする二日前の夜になってようやく発表されました。その日はもう時間も遅くゆっくりと相談も出来ず翌日も年度末の最終日で帰宅の遅かった夫とは名前については何も話さず私は実家に来てしまいました。でも20くらいある候補の中で私が一番気に入ったのが『一郎』でしたので、私の中では出産後入院中も『この子は一郎だな』と思いながら過ごしていました。

そして、退院の日にいざ話し合いをはじめたら、夫にはもっと別の最終候補があり話し合いは難航。 『一郎』は夫の長兄に音が似ている、自分がふりがながなければ絶対読めない名前で苦労しているので息子にはわかりやすい名前をつけたい という理由で渋られてしまいました。

でも夫の出す別の候補も私は気に入らず「もともとあなたが出した候補の中から選んだのに今更反対するなんて!」と半ば険悪モードに・・・でも翌日はお七夜で両家の両親を交えて昼食をとる予定だったのでなんとしてもその日の夜に名前を決めねばならないのでした。

互いに譲らず話し合いも行き詰った深夜に、夫がいきなり30個弱ある候補の名前で端から順番に赤ちゃんに呼びかけ始めたのです。そうしたらなんと!『一郎』の時だけ赤ちゃんが「いぃっっ」 と何だか声を発して返事(私は勝手にそう解釈しました!)をしてくれたのです(笑)  『ほらほら!!今返事したじゃない!』と私。『一郎』の後もいくつか呼びかけましたが、赤ちゃんはうんともすんとも言わず。 夫もついに断念してめでたく『一郎』と決定したわけです。

夫はもちろん実家の家族も(特に母が)一郎にメロメロで、皆が本当に幸せそうに一郎と接する姿を見て、「赤ちゃんが幸せを運んできてくれるのだな、体外受精に踏み切って本当に良かったな」と実感しております。私自身が体調を崩してしまってはどうにもならないので、完璧を求めずある程度いい加減に気持ちに余裕を持って育児をしていかれたら、と思っております。

長くなってしまいましたが、改めてお世話になりありがとうございました。遠方なのでまだ未定ですが、いつか一郎の顔を見せに先生やスタッフの皆さんに会いに行きたいな~と思っております。先生もお忙しい毎日と思いますがお体にお気をつけてお過ごしください。

それでは、また。

….私からのお返事

Eさん こんばんは。丁寧なお返事ありがとうございます。

一郎は日中は静かに寝ているばかりなので手がかからなくて助かっています。ただ昼夜逆転してしまっているのか、夜間はおっぱいを飲んでもなかなか寝付いてくれずお目目ぱっちりで布団に寝かせると泣いてしまうので、私もすっかり寝不足で少々ばて気味・・・大変ですよねえ(^_^)

私は、下の娘のときは、もうねむくて、ねむくてという感じだったので、娘をおなかの上に乗っけて寝ていました。朝になると横にちゃんと寝ていましたよ。わははは。まあ、ほんの一時ですから、楽しんでください。

症例は、年齢を少し変えたり、状況設定をかえたりして、個人情報を差し替える形で、皆さんにシェアできるようにしたいと思います。リウマチなどの持病やアトピー、瘠せ等の体質的な弱さをもって妊娠した方は、やはり妊娠中の養生がなにより必要だと常々感じます。

Eさんは、素直にアドバイスにしたがっていただけて、本当に私もうれしかったです。いまちょうど、『赤ちゃんのために安静にしたり手入れしたりすることは必要』と強く助言させていただいた患者さんが、安静に出来ず、結局緊急入院。いま生まれてしまうと神奈川県内では赤ちゃんの受け入れができるベッドがないんだよ!!と脅かされてしまう事態になってしまった方がいらっしゃいます。調子のいいときに、ちゃんと手入れして養生していただくことが本当に、本当に大事なんですよね。

一郎君、やっぱり素敵ですよね(^_^)。Eという名前が難しいからとおっしゃっていたので、どうなさるのか楽しみでした。読みは難しいけど、字としてはそれほど難解ではないので、一度読みをいえば直ぐに覚えてくれそうですよね。オンもとてもいい感じだなあと思います。

Eさんは、加藤での自然周期で1回ダメ、そのあと採卵して、一度目の戻しがダメ、二度目の戻しで妊娠だと思っていましたが、違いましたでしょうか?。これで、2度にわたるという表現にしました。加藤でのチャレンジも多くの方々がなさっています。なかなか結果がでないこともありますが、こうのとりさんが、ひとりでも多くの方々にきてくれるようにとお祈りしています。きまぐれなんですけどね(^^ゞ

しみじみとした時間が流れているのですね。おっぱいの臭いのする独特の感じ、あの甘さ、人懐っこさは不思議な感じですよね。つながって生きているんだなあなんて。ぼちぼちとがんばってくださいね(^_^)

赤ちゃんが人をたくさんつないでくれますよね。孫のありがたさって、あるんだなあって思います。いつか、こちらにドライブでもいらしたら是非寄ってお顔をみせてくださいね。楽しみにお待ちしております(^_^)