弁証論治:

0023:人工授精(16回)高度生殖医療(IVF,ICSI)のあとの自然な妊娠

..初診 使用経穴

百会、列缺、関元、中注、左湧泉、足三里、左三陰交
腎兪、左三焦兪、左胃兪、次髎、ミニ灸(左脾兪、申脈)

..妊娠にいたる
初診より週に2回のペースで施術、一ヶ月半、16診にて自然妊娠

..妊娠後の治療経過
週に1回の鍼灸治療継続。妊娠37wにて自然分娩。
分娩台にのってから1時間の安産で2800グラム弱の健康な男児出産。

..妊娠中の経過
妊娠中も週に1,2度のペースで鍼灸治療
30wまで特に問題なく経過、
30wすぎより、恥骨の痛みや身体の疲れがきつくなり、腎気の落ちが明瞭となる
37w過ぎ破水より陣痛がつき、分娩台にあがって1時間の安産。2800グラム弱の男児出生。
母子ともに健康

..産後の状態
出産後3wにて来院(以来、月に1度ペースで来院中)
気海関元を中心としたきついゆるみ、

…番外編

一源三岐の観点から
肝鬱の強さが、脾胃、腎へ強く影響を与えるタイプである。とくに、二便食欲などに脾胃への負担は出ていないのに、背部ユケツの脾兪、胃兪は抜け、足三里も亀裂があり、右の脾募がある。梅雨時季節の変わり目の体調の悪さも肝鬱から脾気への影響をうかがわせる。これが衝脈、任脉の養いを少なくし、奇恒の腑である子宮への余力を注ぐことができにくくさせている可能性がある。

また、もともとの腎気の弱さも、子宮への支えの弱さとなっている可能性もある。肝鬱をとき、衝脈を暢びやかにし、腎気を助け、子宮へと注ぐ力の増大を図りたい。