弁証論治:

0044:不妊、倦怠感、食生活、漢方薬、出産弁証論治

..<問診>
35歳、女性 パート
身長:152cm、体重:46kg、血圧:120/70
家族構成:夫
肉親の病気の遺伝的傾向:B型肝炎

主訴・・・①不妊、②たまに倦怠感

..【主訴について】
①不妊・・・27歳結婚、30歳から妊娠を希望し、33歳から体外受精の不妊治療を始める。
②倦怠感・・・
午前中に仕事をして、昼食を取った後、だるく、眠くなる。昼食は食べ過ぎてしまうことがある。
夜20時以降の食事のため、朝はヨーグルトか飲み物くらいしか口にしないので、昼過ぎに仕事から帰宅すると少しずつ食べてしまう。そして眠くなって、だるくなる。
パートで体力仕事をするようになってから、徐々に起こった。
多いときは週に2~3回起こり、予定があり、スムーズに動いている日は大丈夫。
昼、梅雨時、特に季節の変わり目につらい。

27歳結婚時、仕事が多忙だったが、生活や家事も完璧にこなしたいという思いから、不眠、胃炎、逆流性食道炎になり、生理中はいつも吐き気でトイレから出られなくなっていた。
30歳でヨガを始め、1年ほどで少しずつ精神的苦痛からは解放され、フルタイムの仕事を辞めてからはヨガと家事のみの生活を1年ほど送る。
32歳から週5回、1日3~4時間のパートの仕事に就くが、疲れやすく体力が無いことに気づく。
食事時間が変化したこともあり、食事に注意を向ける。半年後くらいからは朝フルーツのみと玄米菜食を特に意識するようになる。同じ頃ビッグママ治療室に通い始める。

34歳の頃、動物性タンパク質を取らないことで体に負担がかからないと知り、毎日ではないが、植物性タンパク質に偏る。この頃から炭水化物を美味しく感じるようになり、炭水化物ばかりに目がいき、取り過ぎとわかっていても止められなかった。体は軽く感じ、ヨガをしやすかったが、少し動くと疲れた。鍼灸治療で楽になるが、体力がなかなか出ず、気持ちが落ちつくが、生活にハリがなかった。

その後、米山先生のアドバイスで食事改善と漢方を服用するようになり、この頃から鍼灸治療当日の夜、シャワーを浴びる元気が出る。それまでは翌日の朝でないとシャワーを浴びる元気が出なかった。肌の調子が良くなり、体が楽になった。仕事もだいぶん楽になった。

現在、仕事中はとても楽になったが、帰宅後、食事を取ると疲れが出るので改善したい。

..【その他に治したいこと】
LDLコレステロール値・・・医師からは「元々、体が小さく細いのに、許容量以上の油などを取っているのではないか。体が受け止められず血液にまわってしまうのではないか」という指摘を受ける。

..【ふだんの状態について】
…(体調の悪い変化)
クーラー、梅雨時、季節の変わり間、昼、肉体疲労時、気を使った後、睡眠不足の時、食べ過ぎ、飲み過ぎ、たまに旅行の後

…(体調の良い変化、悪い変化)
秋、入浴中、入浴後、ヨガや20分程度の歩行や畑は気持ちがいい
…(風邪)
記載なし

…(食事)
食べる量は普通~大食ぎみ。
食事時間は不規則、朝:記載無し、昼:13時、夕20~21時。
30分以上掛けて食べる。
食事前の空腹感は時々のときもあれば、よくあり時もある。
普通に噛んで食べ、いつもおいしく食べれる。
食後にお腹が張ったり、胸焼けは、時々。
よく食べるのは、白米、玄米、麺、魚、肉、野菜、豆腐、フルーツ、パン。
好きなものは、白米、玄米、麺、魚、肉、野菜、フルーツ、パン。
嫌いなものは、特になし。
間食はよくとり、パンを食べる。たまに生理前などにはポテトチップは甘いもの、炭酸が欲しくなる。

…(水分)
1日に200ccのコップで5杯以上、計1000cc以上飲む。
飲むのは、ハーブティ、ほうじ茶、コーヒー、カフェオレ。
口などの渇きはめったにない。
食べ過ぎると舌に時々違和感がある。

…(飲酒)
ほとんど飲まない。20歳から30歳までは会食の時に飲んでいた程度。

…(タバコ)
吸わない。

…(大便)
2日に1回は出る。
便秘はめったにないので、便秘薬は使用しない。
便が出切らない感じは時々。
便は太い、バナナ、コロコロ、量はこぶし大。
便器に付着することは無い、臭いは時々臭う。

…(小便)
1日の5~7回。
残尿感、尿切れが悪いことは無い。
尿の色が悪いことは滅多に無く、たまに黄色。
夜間排尿は時々で、不安なことがあったりすると起きるが、今は無い。

…(睡眠)
就寝0時、起床6時から7時。
寝付きは普通で、眠りは深く、夢をよくみる。
寝起きは普通で、翌日に疲れが残ることは時々。
夢は現実的なことから空想的なものまで。

..【婦人科の状態】
初経14歳。
生理期間は6~7日間で、周期は26日でここ1年くらい少し早め。
生理前に時々、いらいら、疲れ、乳房痛。
生理血は出血したときの色でサラサラだが、たまに小さい塊や粘った膜がが混じることがある。
量は普通で、生理2~3日目が出血が多い。

生理と倦怠感に関連があるかは、よくわからない?
しいて言えば、生理前に食欲が増す。生理が始まれば楽になる。
今は生理だけみると前よりすっきり終わり、以前よりもとても楽。
フルタイム、正社員で働いていた時は、生理前~中にかけて、寝込むほどの吐き気などがあったが、ヨガを始めて寝込まない程度に軽減。その後、仕事を辞めてもっと改善して、胸の張り、いらいら程度になった。鍼灸治療を始めてからは、いらいらもだいぶん改善し、逍遥散を服用するようになってからはさらに改善した。

..【これまでにかかった大きな病気】
16歳の時、左卵巣嚢腫の手術をして水を抜いた。29歳頃、右にチョコレート嚢腫が見つかるも、それは自然に小さくなる。

..<時系列>
子供の頃から神経性胃炎。
14歳・・・初経。
16歳・・・左卵巣嚢腫の手術。
18歳 高校時代はギターをかついで自転車で30分かけて通った平気だった
20歳花屋で元気に働いていた。重いものをもっても平気だった。疲れ知らずで過ごしていた
昔から精神的なストレスは体調に直結しがちだった
昔からお腹が空きすぎるとイライラしたり、気持ちが悪くなった。
結婚までは朝食をきちんと食べる生活だった。

27歳・・・結婚。(結婚前は体重が44-46キロ
仕事で精神的な辛さがとても強かった。
生理時の痛みがひどくなりトイレから出られないほどであり、吐き気もつよかった。
血を吐き胃炎と逆流性食道炎と診断された、一生薬は継続していくと言われた。
このとき体重42キロ。食欲は普通。
不眠、胃炎、逆流性食道炎になる
胃の痛い時期は27歳から30歳でヨガを始めるまでの3年間
生理中は吐き気がひどい。
生理時には下痢となることがおおかった
食事はそれなりに規則正しく3回食べていた、
しかしアフターファイブで結構な割合で飲みにもいっていた。

30歳・・・妊娠を希望する(現在まで)。
ヨガを始め、1年ほどで精神的苦痛から解放される。
ヨガを初めて、生理の時のトラブル、胃痛などがみるみるよくなった。
生理時のバッファリン、胃痛の薬などが不要となる。

31歳・・・フルタイムの仕事を辞め、ヨガと家事だけの生活。
32歳春・・・週5回、1日3~4時間ほどのパートを始める(現在まで)。
パートに出るようになって梅雨時や季節のかわりめにだるくなるようになった。
知り合いに勧められ自分でお灸をする、リラックスできた。
食事に注意を始める、朝食フルーツのみと玄米菜食を意識するようになる。

32歳秋・・・ビッグママ治療室に通い始める(現在まで)。
生理の低温期が長い、16~17日目頃

33歳・・・不妊治療を始める(現在まで)。
34歳・・・植物性タンパク質に偏った食事になる。
炭水化物を取りすぎ気味になる。
生理の低温期が13-14になった(高温期の長さ変わらず)
体は軽く感じ、ヨガをしやすかったが、少し動くと疲れた。
鍼灸治療で楽になるが、体力がなかなか出ず、
気持ちが落ちつくが、生活にハリがなかった。

34歳夏・・・食事改善と漢方服用を始める(現在まで)。
肌の調子が良くなり、体が楽になった。仕事もだいぶん楽になった。
婦宝当帰膠(翌年6月まで)。
逍遥散(PMSがひどいときのみ)。
桂枝茯苓丸(生理中のみ)。
      
34歳秋・・・冠元顆粒(1~2ヶ月間のみ)。
35歳現在・・・芎帰調血飲(高温期以外)。
八味丸。
参茸補血丸(生理中以外)。
不妊治療中。

..<切診情報>
..【舌診】

歯痕あり

..【腹診】
脾募うすくあり
季肋部めくれ
神闕 動悸あり
左少腹急結

..【経穴診】
列缺 こそげ
右内関 陥凹
右外関 こそげ
左外関 動き悪い
右神門 硬結
霊道(右<左) こそげ
足三里 ゆるみ、奥からやや冷え
左公孫 大きい陥凹
右臨泣 ややつまり
太衝(右<左) へたれ

..【背候診】
細絡なし
左脾兪 大きく陥凹
左胃兪 大きく陥凹
右胃兪 陥凹
両腎兪 陥凹
右次リョウ つまり

..五臓の弁別
【肝】
倦怠感は予定があり、スムーズに動いている日は大丈夫(肝気が張ればokの可能性)
入浴中、入浴後、ヨガや20分程度の歩行や畑は気持ちがいい(肝鬱が晴れた可能性)
フルタイムで働いていたころは、生理中に寝込むほどの吐き気があった。
生理前から中のイライラ、寝込むほどの吐き気などは仕事をやめて改善、鍼灸を受けてより改善、逍遥散を服用するようになってさらに改善。
子供の頃から神経性胃炎。(肝気犯胃の可能性)
27歳の結婚当時不眠(肝気の納まりが悪い可能性)、胃炎(肝気範囲の可能性)、逆流性食道炎(肝気犯胃の可能性)になる。 生理中は吐き気がひどい(肝鬱による胃気上逆の可能性)。このころは、体力がないということを感じるよりも、胃痛にとにかく悩まされていた
30歳 ヨガを初めて精神的苦痛から解放される
舌 戦アリ
右臨泣 ややつまり
太衝(右<左) へたれ
32歳自分でお灸をして身体がリラックスルのを感じた

【心】
右内関 陥凹
右神門 硬結
霊道(右<左) こそげ

【脾】
昼食後だるくねむい(脾の陽気不足の可能性、気虚の可能性)
梅雨時、特に季節の変わり目につらい。(内湿の可能性、脾の陽気不足、脾の弱りの可能性)
27歳の結婚当時不眠(肝気の納まりが悪い可能性)、胃炎(肝気範囲の可能性)、逆流性食道炎(肝気犯胃の可能性)になる。 生理中は吐き気がひどい(肝鬱による胃気上逆の可能性)。このころは、体力がないということを感じるよりも、胃痛にとにかく悩まされていた
34歳、植物性タンパク、炭水化物を中心にすると身体に負担がかからない (食生活による脾胃への負担が軽くなった可能性)。
34歳、炭水化物のとりすぎとなったが、身体が軽く、ヨガがしやすかった。少し動くと疲れた。(脾胃への負担は軽かったが、腎気を補うことは出来なかった可能性)
34歳 漢方薬の服用で、少し体力がつき、肌の調子が良くなり(肌肉が補われた可能性)、身体の調子がよくなった(全身が補気された可能性)。
大食(脾胃への負担の可能性)
食後におなかが張ったり胸焼けが時々する(脾気の弱りの可能性)
便が出きらない感じは時々、バナナ、コロコロ(脾気の弱りの可能性)
脾募薄くアリ(脾気の弱りの可能性、内湿の可能性)
神闕動悸アリ(脾気の弱りの可能性)
足三里 ゆるみ、奥からやや冷え
左公孫 大きい陥凹
左脾兪 大きく陥凹
左胃兪 大きく陥凹
右胃兪 陥凹

【肺】
列缺かげりアリ

【腎】
倦怠感はパートで力仕事するようになってから徐々におこった(腎虚の可能性)
パートで力仕事するようになって、疲れやすく体力がないことに気がつく。
34歳、炭水化物のとりすぎとなったが、身体が軽く、ヨガがしやすかった。少し動くと疲れた。(脾胃への負担は軽かったが、腎気を補うことは出来なかった可能性)
現在、仕事中はとても楽になったが、帰宅後、食事を取ると疲れが出るので改善したい。(腎気の不足により、夕方に疲れが出ている可能性。気虚の可能性)
翌日に疲れが残ることが時々(腎気の弱りの可能性)
右外関 こそげ
左外関 動き悪い
両腎兪 陥凹
右次リョウ つまり

【気虚】
舌 歯痕あり
昼食後だるくねむい(脾の陽気不足の可能性、気虚の可能性)
34歳 漢方薬の服用で、少し体力がつき、肌の調子が良くなり(肌肉が補われた可能性)、身体の調子がよくなった(全身が補気された可能性)。
現在、仕事中はとても楽になったが、帰宅後、食事を取ると疲れが出るので改善したい。(腎気の不足により、夕方に疲れが出ている可能性。気虚の可能性)
神闕動悸あり
列缺かげり

【湿痰】
梅雨時、特に季節の変わり目につらい。(内湿の可能性、脾の陽気不足、脾の弱りの可能性)
脾募薄くアリ(内湿の可能性)

【オ血】
16歳の時、左卵巣嚢腫の手術をして水を抜いた。29歳頃、右にチョコレート嚢腫が見つかるも、それは自然に小さくなる。
左少腹急結あり

病因病理

子供のころから神経性胃炎を患うような肝気と脾胃に問題があった。また16歳の時に卵巣のう腫で手術をしている。しかしながら、素体としては充分に成長し14歳で天癸がいたり初経となり、20歳前後には、花屋のバイトというハードな生活も楽にこなしていた。

27歳から30歳の時期は、仕事そのものも忙しく、また精神的な課題も大きく、その上に結婚し家事もしっかりとこなそうと、強い肝気を張って生活していた。強い肝気は胃を犯し胃炎となり、長らく継続したため、胃気の上逆はきつく逆流性食道炎となり血を吐くほどとなった。また、仕事そのものの忙しさや家事での忙しさは疲労の積み重ねとなり腎気も損なっていった。強い肝鬱による腎気への負担、腎気そのものへの負担と重なり、生理前からより肝鬱が強くなり、肝鬱が取れ下へ通じるであろう生理の時も腎気の支えが弱いため、強い肝鬱は継続し、胃気の上逆へとつながり嘔吐となってしまった。

生理の状況の観点から見れば、27歳から30歳の時期は、生理前から生理中にかけて寝込むほどであり、吐き気などがあった。その後ヨガで寝込まなくなり、仕事をやめて、胸の張り、イライラ程度となった。その後の鍼灸治療でイライラも改善逍遥散でより改善、というように、肝鬱がとれることによって、明らかに改善となっていっている。また胃の問題もヨガによって解決しているので、肝鬱が問題の中心であり、そのコントロールによって、生理の問題、胃の問題が解決されたのであろう。

32歳より、パートの仕事を始める。3,4時間程度であるが力仕事であり、立ち続けることが多く、帰宅すると疲労でぐったりという状況であり、また食生活も大きく変化している。このパートを始めることにより体力が無くなっていることにご本人が気がついている。

20歳前後のときには、同じような肉体労働を長時間なんなくこなしていたということから、32歳の若さながら、生命の器が20歳の時と比べてかなり小さくなってしまっていたからではないかと思われる。つまり、27歳から30歳の時の強い肝鬱は、全身の器をひとつ落とし、気虚をおこしてしまったいたということであろう。

気虚をおこした小さな器であっても、ヨガを中心に負担のない生活であれば問題はなかったが、、力仕事をしたため疲労し、食事をすることによって脾胃に陽気があつまると、他の部分には気が足りなくなりねむくなってしまい、だるくなったりしてしまう。

予定があり肝気を張っているときには、スムーズに動けると言うことから、肝気を張らなければ、全身の気虚があるため、脾胃に気があつまれば倦怠感が出てしまうということである。

このころより、梅雨時の身体の重さ、倦怠感、季節の変わり目の辛さが出現している。明らかに脾気に負担がかかり内湿を生じている。生理の状況が肝鬱がとれることで改善し続けているので、腎気そのものは大きな損傷がなかったが、脾気はもともとの弱りもあって、少し腎気が落ちることで陽気不足となり、内湿を生じるようになったものと思われる。

パートでの力仕事、そして食生活の変化が同時におきているので、どちらの影響が脾気に強く負担となっていたのかは判然としないが、食生活は、朝食抜き、フルーツ、玄米という一般には身体によいとされる方法である。

この方法はご本人の生活リズム的には、空腹での慣れない力仕事、力仕事後に食事というリズムになり、空腹での疲労という状況での食事は、全身が気虚をおこしている状態で脾胃に陽気があつまるということになっており、脾気に負担となり内湿を生じ、だるさや倦怠感を強くしてしまったのだろう。

脾胃により負担のない、炭水化物を中心に食生活をしたときには、身体が軽くなり動きやすくなっている。脾胃の力が弱く、負担がかかれば内湿が生じ動きにくくなるが、この食事であれば脾胃への直接的な負担とはならなかったのであろう。しかしながら、この食事では、脾気に多少の負担をかけながらも器を大きくし、肌肉を養うという方向へまではむかわなかったので、少し動くとつかれてしまい、気持ちは落ち着くが、生活にハリがでるように身体全体の気虚を救うところまではいかなかったのだろう。

その後、食生活を改善。いままでほとんど摂取していなかった動物性のタンパク質を摂取することを開始。脾気への負担が心配されたが、内湿が悪化することもなく無理なく気虚が補われ、肌肉の養いとなった。そのため体力がつき仕事中も楽になった。しかしながら、まだ充分な補いとなっているわけではないので、帰宅後に食事をとり、気が脾胃に集まると、全身の気虚は目立ち、疲れが出るのであろう。

弁証 脾虚 肝鬱
論治 益気補脾 疏肝理気

..治療方針
脾気を養い、肌肉をしっかりと養える器にしていく。
場合によっては脾気に負担になる肝鬱を取り去る。

..ご本人へ
お子さんが欲しいと言うことで、鍼灸、漢方など色々頑張っていらっしゃいますね。
20代後半で身体を大きく壊され身体の器そのものを小さくしたこと、そして小さい器の身体に負担になってしまった食生活と、生活リズムが、倦怠感などをもたらしてしまったと考えられます。

また、初診時に拝見したときに非常に皮膚が薄く、火傷がしやすかった状態も、器そのものの弱さ、体表に気があつまり張っていること、胃腸の力不足で肌肉が十分やしなわれていなかったことを示しています。

精神的なストレスはお身体に大きな負担となりますね。これは20代後半のときもそうであったし、現在でも続いていると思います。この身体のストレス状態は、ヨガや鍼灸などで充分よくコントロール出来ていると思います。

身体の力そのものを養う胃腸の力が少し弱いため、疲労して底支えがなくなったり、食べ物に充分な栄養がなかったりすると、全身のパワー不足が目立ってしまい体力的なジリ貧状態になります。

朝食を取る方が、胃も楽、仕事中も楽、倦怠感も楽であり、昼食後の状態もよいということですので、食事全体のリズムを考え、バランスよくタンパク質を少し意識して食生活を進めていってください。

さて、一番のお悩みの漢方薬。
漢方薬は、漢方の先生が考えてくださった生命観に乗っ取り進められていきます。
こういった治療は、その先生の方針、生命観に依拠するところですので、それぞれなのですが、胃腸の状態をよくして器をしっかりするような漢方薬を選ばれるとよいと思います。

生理周期は確かに短いのですが、以前に比べて低温期が通常の長さになっただけです。つまり身体が立ち直る方向性としては間違っていないと思われます。

また、現時点で、ストレス状態ともいわれる肝鬱はヨガと鍼灸で充分コントロール出来ていると思いますので、薬剤でこの点のコントロールまでもってくる必要は現段階でないのではと思います。それよりも薬剤では器を養っていく方向性をとるほうがよいのではと思います。