奇絡ワールド③ 陰維脈 胃腸の力

3)陰維ワールド

さて、陰陽の『維脉』維脉の維には「つなぐ、網」などの意味があります。つまり全身の陽気をつないでラップするような役割と、全身の陰気をつないでいきます。大きな枠での陰気陽気のくくりは生命そのものを維持させるということにもつながっていきます。

陰維ワールドの描く世界

陰維脈の描く世界は、いうなれば胃腸の力です。衝脈という生命力がしたから突き上げる絡脉と一対二なりひとつの経絡をつくっています。面白いのは総穴、心と胃腸は一体でありことがわかります。

陰維の総穴であり、心包の絡穴でもある内関が陰維脈を代表する脈です。胃腸や心に関係する脈なのに手にあるところが面白いですね。手というものの位置関係が面白さを増します。

これは中村歯科医院さん(http://4618nakamura-dental.com/info/あなたの握力はどのくらいですか?/)のサイトで紹介されていた握力と噛む力そして健康に関するデータです。

手の力は噛むという胃腸の力に関係性があり、それらが新血管疾患のリスク、心筋梗塞のリスク、脳卒中のリスクとの関係があるというのも面白いですよね。胃腸の力、噛む力、それが手の力と関係するんです。

さて、陰維ワールド。宋穴は内関PC6であり、郄穴は築賓KI9です。
郄とは間隙(かんげき、すきま)のことです。書く経絡の経気が深く集まる部位とされています。ちなみに、陰維の郄穴である築賓の主治は解毒、疝気(せんき、下腹の痛み)、脚気とされています。鍼灸としては解毒穴で有名ですね。郄穴は内臓疾患に対して疼痛緩和の作用が気滞Sれます。やはり築賓も陰維脈を流れる経絡部位の疼痛緩和に役立つと考えて良さそうですね。

陰維と関係の深い経穴:太衝、衝陽、公孫

 

図;A CLINICAL MANUAL OF PRACTICAL ORIENTAL MEDICINE by Masaaki Nakano,DOM

 

この陰維ワールドと関係が深いのが衝脈です。衝脈の宋穴は公孫。足の太陰です。手の厥陰心包の子午は足の陽明その裏の足太陰の脾にあるわけです。内関ー公孫というと奇経八脉をツナグ経穴として有名ですが、この内関ー公孫は陰維と衝脈を結ぶと言う意味でも裏を建てていく非常に重要なポイントにもなりますね。衝脈についてはのちほど。とりあえず、図だけはいれておきます。同様にA CLINICAL MANUAL OF PRACTICAL ORIENTAL MEDICINE by Masaaki Nakano,DOMからの図です。