5)東洋医学の体力貯金 陽気のラップ、陽維脈

4)陽維ワールド

わて、前回の陰維ワールドに続き、今回は陽維ワールドです。

全身を陽気の網でくるむというイメージかな。この陽維と陰維が一体となって、生命のもっとも基本的な枠組みを作っています。すなわち、陰維脈が胃腸の力、そして生きているという暖かさである陽気でからだをラップする陽維脉のふたつが合わさり、全身の生命の枠を作っていると言うことです。生命は一体であり、その中心を体幹部で考えていきます。すなわち臍下丹田から立ち上る生命です(衝脈中心)。生命そのものは足の先まで一括りの生命です。その一括りの生命のシンプルな枠組みが陰陽維脉とイメージできるかなと思います。

陽維脉は足太陽の金門穴よりおこり、外踝の後ろをめぐり、足太陽と足少陽の間を上行し、肩関節の後方を経て、首の後ろ両側へ斜めに行きます。後頭骨の下で左右両経があわさりひとつとなります。風府穴にて左右両経に分かれ、平行に風池穴を経て側頭骨をのぼり頭頂両側をめぐり額の眉弓上に至ります。

この風池穴は面白いですね。手足少陽と陽維脉があわさります。手足少陽というヤンチャな経絡が陽の網でたばねられるイメージかなと感じました。

また、外関も陽気のラップである陽維脉の宋穴らしく、しっかりと全身を温煦したいときに上焦の経穴として陽池とともに使うことが多いです。
そういえば手には陽池陽谷陽谿と3つ陽のつくツボがならびます。陽気と手首は関係が深いですね。