背中の湿疹、お灸で手入れ

湿疹の経穴へのアプローチ(0999)

湿疹や皮膚疾患はなかなか難しいです。

30代後半の女性。

全体の治療方針は、腎虚を救い内湿を裁くこと。

つまり、土台の力(腎気)となる生命力を補って、内湿という湿気を裁いていきましょうという感じです。

そのなかで、特に、背中に大きな湿疹ができていました。

右脾兪と左胃兪のところに500円玉を二回り大きくした

ような湿疹。皮膚は乾いた感じ張った感じ、ぱっと見てわかるほど変色。

ご本人はずーっと以前からここがかゆくなるんですと。

湿疹そのものの部分は固く張っているのですけど、その外縁の下側(つまり

湿疹の円の下の外側)に陥凹ゆるみが、両方とも同じように出ているのです。

つまり右は胃兪、左は三焦兪が陥凹ゆるみとなっているようでした。

そしてまた、この陥凹緩みの部分は、湿疹にはなっていなくて、触れると生命力が弱り

底抜けている感じが伝わってきます。

そこで、湿疹には触らず、この弱っている部分となっている経穴に鍼とミニ灸。

自宅でもミニ灸をお願いしました。

一週間後、かゆくないんです~と。湿疹の大きさも小さくなっていました。

湿疹そのものは、局所の問題ではなく、全身の問題から考えるべきですが、なぜのその部位に出現するのかというところを考えていくと、場の弱りも問題となることがあるということです。

湿疹の部分は、痒みがあって気血が集まって症状を出している。

それを下側の経穴部分が生命力を提供して一生懸命支えようとしているけど、

支え切れていない。下側の経穴に生命力を補ってやることで、

上側の湿疹のある経穴の状態が一歩改善されたんだなという感じです。

症状を出している部分をどこから補ってあげるのか、背中だったので、形状的にも

考えやすいところも功を奏した感じですね。

 

EPSON MFP image