8) 夢診断  夢は未来のリハーサル

8)夢診断

夢は未来のリハーサルと把えます。
今直面している問題と、人生の目標とをつなぐ橋。
夢の中で役割を演じて練習し、現実にそうなるように準備しているわけです。
だから、夢はしばしば現実となります。

アドラー的に考えると、夢も「目的に向かって使われる」と考えるわけです。

ここが他の夢診断のように「過去の葛藤を解決する」ために夢をみると考えるわけではないところが特徴ですね。

夢を解釈するにはその人が直面しているライフタスクと関連づけて考えます。

たとえば、「仕事でノルマを達成してほめられた」夢をみるということであれば、ノルマが達成できるんだ、自信を持って進んでいいんだと自分に言い聞かせて安心させているようですし、「仕事でノルマが達成できずに責められて辛かった」という夢ならば、ノルマが達成できないときにはこうなるんだと心の準備をしているように考えられます。

また、アドラーは夢は感情を作り出す工場であるともしています。明日の旅行を迷っていて「やめた方がいい」というような夢をみれば、その感情にしたがいやすくなります。また逆に、乗り換えが上手く行って楽しかったという夢ならば、旅行に行く気持ちをかきたてます。感情の増幅装置みたいですね。

夢はその人の人生の文脈に出てきている事柄、言葉であらわれるために、その人の人生の流れ、言葉遣いを知る必要があります。一般論ではなかなか述べられないと言うことですね。それでも、「実践カウンセリング」のなかでは夢の小辞典があげられています。面白そうなものをピックアップしていきますね。

泳ぐ:人生を渡っていく
追われる:あせり
おかし:あまやかし、良い贈り物
金縛り:①問題解決は不可能に思われる。手も足も出ない。②自由がない、束縛されている
髪の毛:自分自身のボディイメージ
墜落:特権を失う(ことへの恐怖)失敗する(ことへの恐怖)
電車に乗り遅れる:チャンスをのがす、遅刻を口実にのがれる
不安な夢:現実生活での失敗への恐怖
夢をみない:変わりたくない、人生のことを深く考えない、現在大きな問題がない

注)なお、私のweb、ブログでのアドラー心理学についての記載は、私が個人的に学び、生活の中で実践し、考えている範囲での記載です。アドラー心理学そのものを正しく学びたいというご希望の方は、アドラー心理学会(http://adler.cside.ne.jp/)のwebサイトなどをご覧頂き学びの道に入って頂ければと思います。