症例:火事場の馬鹿力で日々をのりきってはいませんか?(0046)

火事場の馬鹿力で日々をのりきってはいませんか?(0046)

妊娠を希望し、妊娠検査薬にうっすらと妊娠反応がでるものの継続できないというお悩みの症例です。

身体の凝りや不調も多く、胃潰瘍、凝り、口内炎などお辛い状況が続いていました。

お話しを候い、お身体を拝見すると、日常的に気を張り、
頑張って生活しているタイプのかただなと思いました。

普段から疲労は感じないとおっしゃりますが、ご自身が疲労のサインと感じる状態は、呼吸がしにくく普通に座ることもできないほどぐったりとなっている状態。これは、まともに座れないという非常に弱った状態になるまで『疲労』という腎気(生命の土台の力)の弱りを感じることができないということです。疲労していないのではなく、気を張って火事場の馬鹿力で乗り切ろうとがんばっちゃっているわけです。

火事場の馬鹿力は、本当に危急存亡であるときに出すべきです。日常でそういった身体の使い方、エネルギーの出し方をしていれば、ご自身のキャパシティーをいつも超えた状態で日々をおくっていると言うことです。それは無理な話です、疲れ切ってしまいますね。

鍼灸では、身体の土台の力をつけること(腎気を益す)、気の張りすぎをとる(肝鬱を張らす)ことの二本立てで進んでいきました。

また、ご自身でも日常のあり方をもう一度点検していただきました。

・弁証論治
腎虚肝鬱 子宮を養う任衝脉の滞り
疏肝理気、益気補腎、養任衝脉

・治療方針
非常に強い肝気を払い、腎気への負担を取り去る。
腎気をあげ、妊娠のできる子宮の状況にして行く。
子宮を養う任衝脉への滞りを取り去り養う

治療経過です。少しずつ体調がアップされ、自然に妊娠され継続出産につなげることができました。

3ヶ月後、少し高温期が安定してきた。
6ヶ月後、病院にて多膿疱性卵巣症候群と診断された
1年後、クロミッドなどを服用してもあまり反応せず、排卵の状態が悪い
1年半後、D41にて排卵が確認されタイミング、
 前後に頻回に鍼灸治療をおこなう。妊娠、無事に出産。

そして第二子も無事に出産。
よかったですねえ。

不妊、口内炎、こり、吐き気 極限までの疲労

不育、不妊、強い肝鬱 ’16/10