質問にお答えして:大豆蛋白の取り過ぎ???エストロゲンとの関係

子宮内膜症や子宮筋腫と大豆蛋白について質問を受けましたので、私の思うところを整理しておきますね。

女性ホルモンであるエストロゲンに依存して悪化していく疾患がいくつかあります。

エストロゲン依存性疾患と呼ばれます。不妊治療で問題になるのは子宮内膜症や子宮筋腫ですね。

不妊治療をステップアップ的に考えるときには、疾患を治療して原因を取り去ることをするよりも、不妊に直接的に係わるのではなければ、手術や外科的な介入を含んでまずそのままステップアップして、やってみてこの状態が障害になっているようならば、改めてステップダウンという選択になるのかなと思います。この見極めはかなり難しいですね。

筋腫があっても、内膜症があっても、妊娠出産する人は大勢いらっしゃります。

しかしながら、『不妊』の状態である人が、色々検査すると、これら疾患がみつかり、

それが『原因』であるのかと推察されるわけです。

でも、それら原因に介入しても妊娠しない場合もあるし、それらの介入がまた

次なる不妊原因になったりする場合もありますね。

不妊の原因がどこにあるのか見極めることの難しさはここにあるわけです。

ここで、一番穏やかな介入を試みることをお勧めします。

大豆蛋白について期間限定で摂取を控えることです。

不妊治療を見ているとホルモン剤に対しての反応は非常に千差万別、
人によって違うなと思います。

大豆イソフラボンに関しても、非常に反応に個人差があるように思います。

子宮内膜症や筋腫など婦人科疾患でお悩みの方でしたら、3ヶ月程度、がっつりと大豆製品を切ってみることを試してみることはよいのかも知れないと思います。どちらかというと、子宮内膜症のトラブルの方により手応えを感じる方が多いようです。

卵巣嚢腫、子宮内膜症、長らくの不妊と苦しんでいた方が、大豆製品の摂取をやめることでトラブルが軽減、鍼灸治療併行しそのまま2年ほど継続する中で長い不妊治療にピリオドを打つことができ無事にご出産につなげることができたり、程度の差はあれご本人が生理のトラブルが激減したと仰ることは多く経験していますし、病院で嚢腫が小さくなっていましたと言われるともあります。

是非、穏やかな介入ですから試してみてください。

子宮内膜症にはガン化のリスクがあります。このリスクを回避できたということは非常に大きいことだと思います。

また、健康志向の強い方の場合、肉や卵のタンパク質摂取を嫌い、大豆製品にがっつり傾いている傾向の方がいらっしゃいます。なんでもきなこをかけちゃうとか、油揚げ、豆腐ばっかりというのは一見からだに良さそうなのですが、時に問題を引き起こしていることもあります。気になる方は1度がっつりとやめることを試してみるのもよいかと思います。

乳製品はかなり抵抗感を示す方が多いですね。私は子宮筋腫の患者の会で長らく相談役をやっていました。そこで乳製品の摂取が子宮筋腫の改善に役立ったというアメリカでの論文が提示され大きな議論となったことがあります。『実は肉や乳製品をやめていたのに、筋腫や内膜症が悪化していて困っていた』という声が多かったのに驚きました。乳製品の摂取を控えるということが、個人差の問題もありますが、タンパク質の総摂取量が不足につながったり、逆に豆乳を過剰に摂取するというようなことになると、ひどくなるということもあるのかなあと思いました。

このあたり、食の問題と絡んでくるとなかなか難しいのでなんとも言えないところでもありますので、心当たりのあるかたはまず試してみるのがよいかと思います。該当する場合ははっきりと症状が軽減することがあります。

なにごともほどほどです。

日本人のための食事バランスガイドお勧めです。

参考サイト:

食事バランスガイド

症例集からです

子宮内膜症、体外受精に挑戦するも妊娠せず。その後の自然妊娠

エストロゲン依存性疾患

日本産科婦人科学会より

厚労省による大豆摂取に関する情報

子宮内膜症の原因諸説(免疫、アレルギー説も含む)