不妊:相談 子宮内膜症、体外受精しても妊娠しません 43才(0108)

ご相談にお答えしてのシリーズです。

ご姉妹で子宮内膜症に悩まされていました。
お姉様も子宮内膜症と上手につきあわれ、ご出産にこぎつけられました。

婦人科疾患のある方の場合、案外早くから妊娠を意識し取り組まれるケースが多くあります。
この方も20代のご結婚からすぐに妊娠を意識し始めたのはとてもよかったのかなと
思います。

しかしながらも、一筋縄でいかないのが不妊治療。

体外受精ー胚移植は確かに不妊治療の中で大きく力をかしてくれる治療です。
最終段階と思うので、結果がでないときにはそれを繰り返すということがよくおこなわれます。

でも、ちょっと待ってください!

結果が出ないときには、一歩踏みとどまり、ご自身の体力貯金のチェックを
お勧めします。

体力貯金のアップを図ってから、胚移植を挑戦することが結果として急がば回れと
なることはよくあります。

そして、どこがその方の体力貯金アップのポイントとなるかが重要です。
ただただ、やみくもに採卵の回数を重ねず、ちょっと踏みとどまってみましょうね。

 

☆ご相談内容:詳しい相談内容

20代で結婚し、すぐに子供が欲しいと思ってタイミングをとっていました。
子宮内膜症の症状が強く手術などもしています。

山登りが好きで、友達と頑張ってあちこち出かけるのが好きです。
休みの日なども、家にじっとしているのは好きではありません。

37才から体外受精を始め、すでに胚移植も3回していますが妊娠にいたりません。
どうしたらいいでしょうか?

これ以上、不妊治療にお金をかけるのも難しいです。

私からのお返事:☆カウンセリング、不妊カウンセリング 東洋医学的診立て

子宮内膜症の一番よい治療は、妊娠することですね。
しかしながら、子宮内膜症がきついせいで、妊娠がスムーズにおこりにくく
体外受精などの高度生殖医療を何度も挑戦しているのに結果につながって
いないのは本当に辛いと思います。

お身体を拝見すると、胃腸のパワー不足が明瞭です。胃兪、足三里、公孫の落ち込みです。
また婦人科的に支える経絡も弱く、三陰交、陰陵泉などのツボも冷えが顕著です。
身体に出ている細絡、舌の状態から瘀血という東洋医学で言うところの血の滞りが
みてとれます。これが子宮内膜症の状態を表していると考えられます。

そういった生命力のパワー不足、血の滞りがあるなか、普段の生活がオーバーペースであることは
何かしようとするとその一点にご自身の余力を集中させることになります。

ここは半年ぐらいを目処に、養生を心がけとにかくご自身の生命力をあげることに集中しましょう。
そして、養生で生まれた体力貯金を不妊治療だけに注ぎましょう。

体外受精で受精卵がちゃんと出来ている人です。
もうあと一歩のご自身が卵を迎える力をつけていけばきっと結果に繋がると思います。
一緒にがんばっていきましょうね。

・弁証
脾虚を中心とした気虚肝鬱
・論治
益気補脾
・治療方針
脾気を中心に全身の体力をあげることを目標にする。
養生を心がけて頂き、体外受精で胚移植の時期までは理気は行わない。

 

治療経過

ビッグママ治療室初診
週に2回の鍼灸治療、食事生活の養生、毎日のお灸養生を始める

鍼灸養生をはじめて直後(もう少し待ってみたらとアドバイスするもすでに治療周期がスタートしていた)
4回目の体外受精ー胚移植 妊娠せず

4ヶ月後
5回目の体外受精ー胚移植 初めて妊娠反応が出たー。継続出来ず
体重BMI19.1 なので19.5をめざすようにアドバイス

6ヶ月後
6回目の体外受精ー凍結胚移植ー妊娠判定陽性 鍼灸治療の頻度をあげる
首の痛み、辛いつわり、逆子などもあるものの無事に出産

おめでとうございます。

☆まとめ

体外受精をして、受精卵ができるということは、妊娠まであと一歩です。
胚移植をして結果が出ないときには、体外受精を繰り返すよりも、一歩待ってご自身の
生活を見直し、体力貯金をアップし、卵巣子宮のパワーアップをはかるほうが
結果的に近道だったということはよくあります。

あせらずに、ご自身の状況をよくみて、治療を前に進めていくことが大事だと思います。
子宮内膜症のつらさ、頭痛や身体の痛みなどいろいろと不調のある方でしたが、
ご主人との生活を楽しみながら、笑顔で生活されているご様子は伺っていて私まで
楽しくなってくるようでした。

今回の症例の詳細はこちら→できる限りのことはしたい! 

 

 

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不妊カウンセリング学会

食事バランスガイド

日本生殖医学会

不妊カウンセラー、不妊カウンセリング学会講師 ビッグママ治療室院長 米山 章子