ストレス、体操で悪化、右足の眠れない痛みの症例解説です。
専門家向け解説となりますので、ちょっと言葉が難しいかもです。
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0004 弁証論治、鍼灸治療解説
50代女性の、ストレス、疲労、体操で悪化させた下肢痛に対する施術です。
東洋医学的診立て
・弁証:脾虚、経絡経筋の冷え、弱り
・論治:益気補脾、下肢の経絡経筋の温養通絡
治療方針
・傷めた下肢の経絡経筋を、暖め養い、痛みを取り去る。
・ストレスに犯されがちな胃腸をしっかりさせ、全身状態を安定させる
まず、胃腸のパワーをupさせて、身体の力を充実させます。
その上で、傷めた右足の経絡を暖め養い、力がその経絡に流れるように導きます。
☆鍼灸治療について
初診〜
1)百会(7)、右合谷(鍼ーミニ灸)右列缺(鍼ーミニ灸)
足三里ー右三陰交 以上置鍼12分
2)脾兪、三焦兪、大腸兪、右環跳灸頭鍼、右下委陽ー築賓(ミニ灸)
2診
初診後調子がよく、長く歩けた
施術同じ
3診
足の調子はよい
胃がずっと痛い感じで昨日からとくにひどい。
腰が抜けそうな感じがする
1)百会(7)、右後谿ー右公孫(ミニ灸)
2)右胃兪ー脾兪(施灸、ミニ灸)
(腎兪、大腸兪)温灸
治療について
百会のお灸がこの方にはかなり良かった感じです。全身の陽気をまとめたてていくときに、私はよくこの百会のお灸を使います。
この方の場合、脾虚による中気下陥が百会のお灸によって救われた感じですね。
また、この場合、患側である右足の痛みにと逆側を使うこともよいのかなとは思いましたが、結局、
1)百会で軸をしっかりとつけ、陽気の上向きベクトルup
2)列缺、合谷など肺気を高め全身の上向きベクトルを維持しつつ、肺ー腎の力をたかめる。
3)背部兪穴のお灸で脾腎の陽気を高める
4)傷めた経絡である、右の環跳、委中、築濱というベタなところを使い、温通経絡をしていく
こんな感じが非常に手応えがありました。
ストレスが強く、メンタルが大きく影響する方ですが、こういう方こそ鍼灸がききますね。