やっと妊娠が成立した方へのアドバイスその②

妊娠しにくかった人への妊娠中の注意点(妊娠12週を過ぎた人向け)その②

ちょっと長くなりましたので、二つに分けました。

その①はこちら→

このアドバイスはさて、妊娠しにくかった人の妊娠へのアドバイスです。

妊娠初期はまた別の注意があります。これは不妊治療にあわせて書きますね。妊娠12週を越えた方を前提にしていきます。

妊娠しにくかった人への妊娠中の注意点(妊娠12週を過ぎた人向け)

ポイント!:

1:『妊娠しにくかった人は、妊娠中も要注意、安定期などない』

2:”妊娠は、おこってしまったこと(流産、早産)を止めることはできないので、おこらないようにす”

上記が大原則です。

妊娠しにくかった人も、いわゆる安定期に近づくと、妊婦ライフそのものにも慣れてくると思います。そしてあれこれやっておきたいこともあるかとは思います。

でも、妊娠しにくかった人には、安定期などないと思っていただき、『出産したら出来ないからいまやっておこう』というのはやめましょうと私はいいたいです。出産して身二つになったらいくらでもできます。その時でいいと思うのですよ。

さて、具体的にお話ししますね。

1:慣れた仕事を無理ない範囲で。
2:午後の疲れた時間は、無理を重ねない
3:妊娠は、おこってしまったこと(流産、早産)を止めることはできないので、
おこらないようにする
4:高年齢の医療介入度の高い『やっと成立した妊娠』であれば、仕事と、
妊娠のコスパを考えてもらう。
5:まわりは、『継続している妊娠』について、配慮してくれないと自覚し、
自分のことは自分で守る。お腹の赤ちゃんを守れるのは自分だけと自覚する。
6:社会的な無責任な行動となっても、”いま、自分がしなければ守れないもの”が
あることを自覚するのが大事。無責任な人と思われても、
仕事を投げ出して休む必要があるときには、休む。

上記6点がポイント

解説していきますね。

1:慣れた仕事を無理ない範囲で。

いままで慣れていることというのは、頭にも身体にもやりやすい日常です。妊娠したからといって新しいことを始める必要はありません。

慣れたことをいつも通りにする。夕方に疲れたなとか、翌日に疲れが残ったなと感じない範囲でなさることが吉です。

2:午後の疲れた時間は、無理を重ねない

疲れたときに何かを使用と思うと、体力の貯金庫からの引き出しとなります。

そしてその体力の貯金庫が、子宮(女子胞)や臍下丹田の力とよばれる、身体の余力です。

妊娠は、身体の余力でなされます。

身体に余裕があると、妊娠がスムーズで、余力がないと困難になります(その他にもいろいろな事がありますが、ここでは割愛しますね)

妊娠しずらかった人は、もともとこの体力の余力が少ないわけです。そしてやっと授かった妊娠はこの体力の余力で支えられていますから、”他のことにこの余力を使うことが=妊娠が不安定になる”ことに直結してしまいます。

午後という疲れのたまりやすい時間は、休むのが吉です。

3:妊娠は、おこってしまったこと(流産、早産)を止めることはできないので、おこらないようにする

風邪を引いてしまったとします。

風邪はほとんどの場合、睡眠を十分にとって、ゆっくり休むことで自然と回復出来るものです。

しかしながら、妊娠は、不安定になってしまった場合、ときとして残念流れになり、その流れを止められないことも多々あります。

4:まわりは、『継続している妊娠』について、配慮してくれないと自覚し、自分のことは自分で守る。お腹の赤ちゃんを守れるのは自分だけと自覚する。

これは、とても大切です。

私は簡単に妊娠し、出産した人間です。

妊娠が難しい不妊というのがあるのがわかっていても、妊娠をすれば私の経験した妊娠と同じと考えてしまいます。ただ、不妊や不安定な妊娠の方々とよりそううちに、『妊娠の状態って人によってこんなに違うのか!』と実感しています。

あなたの周りの人が、不安定な妊娠を理解もイメージも出来ないということを、理解してください。

そして、あなたを守れるのはあなただけ であり、あなたのお腹の赤ちゃんを守れるのはあなただけということもよく理解してください。

周りが理解してくれないと嘆いても何の足しにもなりません。

守るのは自分自身です。

5:高年齢の医療介入度の高い『やっと成立した妊娠』であれば、仕事と、妊娠のコスパを考えてもらう。

高度生殖医療は助成金があってもかなりの自己負担があると思います。

また、回数を重ねている人にとっては、100万円以上掛かっている方も多くいらっしゃりますね。以前に800万円以上掛かってやっと妊娠にたどり着いたとおっしゃている方もいらっしゃりました。

そんな『やっと巡り会った妊娠』です。大切にしましょう。

アルバイトやパートが休めないということもあるかと思います。

しかしながら、ここまで系ったお金を考えてみてください。

実は長い間、私は仕事を優先することはあたりまえで、無理のない事だと思っていました。

いまでも、それはあたりまえだとは思っています。

ただ、このあたりまえが通用しない人もいるのを実感としてわかってきました。

妊娠には時間がとても大切です。また年齢要因も大きく係わってきています。

人生の中での優先順位を考え、いまやっと手にした妊娠を大事にしてください。

6:社会的な無責任な行動となっても、”いま、自分がしなければ守れないもの”があることを自覚するのが大事。無責任な人と思われても、仕事を投げ出して休む必要があるときには、休む。

これは、4,5に続くものです。

記憶の中で書いているので、詳細が間違っているかも知れませんが、アメリカで提供卵で50才近くになり妊娠、出産なさった野田聖子さん。

彼女は40才前後にも、前夫の方との間で不妊治療をなさっていました。お子さんを産みたいという思いが強かったんだと思います。その彼女が、妊娠をしたけれど、仕事のために岐阜への往復の中、流産してしまったという記述を読みました。

妊娠はいろいろな不確定な要素がありますから、これが原因という断定は出来ません。ただ、アメリカでの妊娠出産の時には民主党政権下で彼女にとっては肉体的にも精神的にも時間的にも余裕があったのではないかと思います。だから、提供卵、高年齢という非常に厳しい中でも妊娠が無事に継続出来たのではないかと思います。40才の時に同じ条件であれば、もしかしたら妊娠が継続出来た可能性はあったのではと夢想します(あくまでも夢想レベルですけどね。)

野田聖子さんのように、50才前後で、渡米し、提供卵を受けての妊娠というのは経済的に誰もが出来る選択ではないと思います。だからあなたの今の妊娠を大切にして欲しいのです。

妊娠の継続にはどうしても、社会的には無責任な行動となっても、時間的、肉体的な余裕を作り、自分のことだけに集中する必要があることがあるのではないかと、多くの方の妊娠への挑戦をみていて思います。

仕事との両立。確かに大きなテーマです。

ただ、どうしても両立しないこともあるのかなという事も思います。

腹をくくって、休みを取るということも必要な時期があるのかもと思うのです。どうしてものときには、欠勤になってもいいというぐらいの腹を決めると、道がひらけたりします。

両立すればいうことはありません。

でも、どうしても両立しないこともあるのが事実です。

周りに申し訳ないという気持ち、よくわかります。

社会と調和して生きていくのは私達が人間である限りとても大切で必要なことです。

その上で、その上で繰り返します。

どうしても、両立しないときには、自分が何をしたいのかを腹を括る必要があるときがあるのです。