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鍼灸学校へ行く前に考えてほしいこと──「何を学びたいの?」
時々、こんな相談を受けることがあります。
「鍼灸学校へ行こうと思っているんですが、どう思いますか?」
そんな時、私がまずお聞きするのは、
「何を学びたいんですか?」
ということです。
「鍼灸師になりたい。」
「東洋医学を学びたい。」
「将来、開業したい。」
どれも素敵な理由です。
でも、この「何を学びたいのか」がはっきりしているかどうかで、学校で得られるものは大きく変わってくるように思います。
鍼灸学校は「技術」を学ぶ場所?
鍼灸学校というと、鍼やお灸の技術をたくさん教えてくれる場所というイメージを持つ方も多いかもしれません。
でも実際には、国家資格を取得するための学校です。
授業の中心になるのは、解剖学、生理学、病理学などの西洋医学。そして東洋医学の基礎となる中医学や経絡・臓腑の考え方などを学びます。
もちろん実技の授業もありますが、「すぐに臨床で使える技術を身につける」というよりは、安全に身体を扱うための土台を学ぶ場所、という印象でした。
ですから、「技術を身につけたい」という目的だけで入学すると、少しイメージとの違いを感じるかもしれません。
私が学校へ行った理由
私が30歳で鍼灸学校へ入学した理由は、とてもシンプルでした。
身体について勉強したかった。
それだけです。
鍼灸という技術そのものに強く惹かれていたというより、「人の身体ってどうなっているんだろう」という興味の方がずっと大きかったんです。
だから、解剖学も、生理学も、病理学も、とても面白かった。
中医学の臓腑経絡学も、身体を別の視点から眺めることができて興味深く、夢中になって学んでいました。
私にとって鍼灸学校は、「鍼灸を学ぶ場所」というより、「身体を学ぶ場所」でした。
そんな感覚だったので、今振り返ると「おまけで国家資格がついてきた(笑)」くらいの気持ちだったのかもしれません。
学校の価値は目的によって変わる
例えば、「将来は独立開業したい」と思っている方もいるでしょう。
もちろん、それも一つの理由です。
でも、開業して経営していく力と、国家資格を取ることは別の話です。
資格を取れば自然と患者さんが来てくれるわけではありませんし、経営や集客はまた別の学びが必要になります。
また、「東洋医学を学びたい」という方もいます。
それも素敵なことです。
ただ、東洋医学を学ぶ方法は、鍼灸学校だけではありません。
本を読んだり、講座に参加したり、自分に合った学び方はたくさんあります。
一方で、鍼やお灸を使って人に施術をするのであれば、国家資格は必須になります。
学校が良いとか悪いとかではありません。
大切なのは、「自分は何を学びたくて、その先で何をしたいのか。」
そこなのだと思います。
追伸
最後にひとつだけ。
もし本気で鍼灸学校へ進学するなら、私はあん摩マッサージ指圧師の資格も一緒に取得できる学校をおすすめします。
実は、ここを見落として学校を選んでしまう方が意外と多いんです。
「鍼灸師」という一つの資格があるように思われがちですが、実際には次の3つの国家資格に分かれています。
- 鍼師
- 灸師
- あん摩マッサージ指圧師
学校案内を見ても少し分かりにくいのですが、この違いは卒業後の選択肢に大きく影響します。
同じ3年間学ぶのであれば、取得できる資格は多い方が、将来の可能性は広がります。
これは30年近く仕事をしてきた今だからこそ感じる、ちょっとした実感です。
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