概要
75歳男性、突然発症した痛みは塊が全身を移動する様な痛みでした。線維筋痛症と診断されステロイドなどの処方である程度は落ち着きましたが、常時痛みがあり辛い状態です。鍼灸治療によって全体に調子がよいと感じられる状態になりました。
(この症例の弁証論治→繊維筋痛症、腰、背中の痛み身体全体の脱力感)
【case:0013】
ご相談内容
75歳、男性、血圧140-90、身長150センチ、体重38キロ。62歳の時に狭心症になりました。2年前(73歳)のときに突然、朝気持ちが悪くなり吐き、その後便秘になりました。体重が10日で45キロから43キロへと2キロ減り、現在では38キロになっています。病院では、専門医より線維筋痛症と診断され、ステロイド、痛み止めなどを処方され少し落ち着きました。
現在は常時痛みがあり、朝から夜まで痛い。発症以来、さほど変わらない同じ状態です。身体の中を塊が日によって動く感じです。この症状と同時に、背中と腰の痛み、足と腹部のかゆみが出現、口渇、便秘、下痢、動悸、体重の減少、身体のだるさ、ふらつきなどの症状がでて、これらは全身の体調にあわせて変化します。少しでも鍼灸で痛みなどが軽減しないかと思って受診しました。
東洋医学的診立て
73歳で突然に線維筋痛症が発症し、現在も痛みなどが継続しているとのこと。とてもお辛いですね。少しでもお力になれればと思います。
東洋医学的な観点から考えてみますと
1)急激な強い冷え込みが体に入ったこと、その状態が継続していること(風邪の内陥)
2)生命力の底力である胃腸の力(脾胃)、土台の力(腎気)が落ち込んだこと
が原因ではないかと思われます。
ご自身の生命力をあげること、入り込んでいる風邪を取り去ることで少しでも痛みが軽減できるのではないかと思われます。頑張ってみましょう。
東洋医学的弁証論治
弁証:痺症(風邪、脾虚)
論治:疏風散寒 益気補脾
治療方針:風邪を払い、脾気をたて痛みの軽減を図る