カテゴリー : 不妊・婦人科の症例集 30代前半 30代後半 不妊

子宮内膜症4期、黄体機能不全、排卵障害を越えて(36歳出産)

治療経過

32歳 ビッグママ治療室初診
初診後8ヶ月 基礎体温表がきれいな二層制になってきた
初診後10ヶ月 高温期が安定し肩こりがなくなってきた
34歳 腹腔鏡の手術ー半年間の人工授精
35歳 体外受精をはじめるー妊娠
36歳 妊娠。前置胎盤にて安静指示、帰省。
帝王切開にて無事2800グラムオーバーの女児を出産。おめでとうございます。

38才 そろそろ第二子を考えたいということで週に1度の鍼灸治療を再開。
半年後、受精卵を移植妊娠。週に1,2度の鍼灸治療を継続
39才 問題なく経過し、無事に出産なさいました。

あとがき

第一子の出産:
32歳でご本人の希望が自然妊娠ということで、腹腔鏡手術も含めていろいろな挑戦をしましたが、今振り返ると、初診後10ヶ月ぐらいで基礎体温の状況がよくなり体調がよくなったところで、体外受精を1回挑戦してしまってもよかったのかもしれないなあと思います。しかしながら、こういった生殖医療はお二人の考えとそのときの状況で、何がベストだと判断するのはとても難しいことだと思います。この方はご夫婦で仲良くしっかりと考えをすすめられ、時間をかけて納得のいく治療を受けて、無事に妊娠ー出産なさったなと思います。少し経過が長くなってしまいましたが、無事の出産、おめでとうございます。

第二子の出産:
32才で初診にいらしてから、7年のお付き合いになりました。始めから病院での診断が子宮内膜症4期体外受精の適応と言うことでしたが、ご夫婦の希望に添って自然妊娠の道を模索し、体調をよくするところから始まりました。

2年半ほどの経過で、基礎体温の安定、体調の改善は見られましたが、やはり子宮内膜症による癒着がきつく自然妊娠の希望は叶えられませんでした。

しかしながら体調が充分に整っていたので、体外受精では非常にスムーズに採卵ー凍結が進み、サクサクと妊娠ー出産。残った凍結胚で第二子も妊娠ー出産なさいました。

体外受精をスムーズに進めるコツ:
この症例はご本人のご希望があったので自然妊娠のためのカラダ作りを2年半ほど行いました。結果的にこの時間が体外受精での治療をスムーズに進める下地となったと思います。卵の質をあげ、着床するための血流確保になり、子宮の力が高まったのだと思われます。

問題点が、キャッチアップ障害だけになれば、体外受精が救ってくれる一番のポイントですので、あとはスムーズに運ぶわけです。

第二子への挑戦に関しても、第一子出産時に、

『胚移植したくなったら、その半年前にはカラダ作りをスタートするために来院してくださいね。決して「忙しいから」「子供を預けるのが難しいから」などという理由で、胚移植をやっちゃわないでね。

二人目妊娠のために残してあった凍結胚を移植して、全部ダメだったので採卵からスタートするという人を今まで何人もフォローしてきたけど、1)年齢が第一子の時よりも高い 2)産後の疲れがあり全身が疲労 3)子供を預けて病院へ行ったりすることの大変さ、を考えると本当にものすごく大変だからね。

残った凍結胚はお宝!大事にしてね』

と、くどくどとお伝えしてあったかいがあり、病院受診前に来院され、カラダ作りをされたのちに胚移植。無事に第二子への妊娠ー出産へとつながりました。

第一子までは少し時間がかかりましたが、その後はスムーズな展開で、お二人のお子さんを連れてのご挨拶、本当にお幸せそうでした。