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きつい子宮内膜症からの不妊治療(35歳出産)

東洋医学的診立て

妊娠のはっきりしたご希望があるのに、子宮内膜症のためになかなか前に進みませんね、とても辛いですね。

もともとのお身体が、胃腸の力、体を支える底力ともに少し弱めです。その弱めの体で頑張って生活をしていたために、気を凝らして頑張る必要があり気血が滞りやすい状態になっていったのだと思われます。またお母さまや妹さんの状況をみても、下焦(腰、骨盤内臓器などの部位)において、気血の阻滞を起こしやすい素体もあるようですね。

ピルの服用で、子宮内膜症の悪循環を建ち切っていたのは、病気の進行を抑えることと、ご自身の体調を整えると言うことでとてもよかったと思います。

妊娠のために、ピルをやめたのは必要なことですが、なるべく早く妊娠して、子宮内膜症のための体調悪化の悪循環をしないようにしていきたいですね。下焦の力をつけ、体調を整えることが妊娠に必須だと思われます。一緒にがんばっていきましょう。

東洋医学的弁証論治
弁証:腎虚
論治:補腎
治療方針:
まずは腎気をしっかりと立て、下焦の充実を図り、肝鬱腎虚の悪循環を断ち切りたい。そして下焦の気虚気滞からの瘀血(おけつ)の生成を食い止めることで内膜症の悪化を防ぎたい。そのために脾気や蓋としての肺気も同時に治療の手を入れた方がいいのではないかと考える。