カテゴリー : 不妊・婦人科の症例集 30代前半 不妊

採卵数が少なく体外受精でも妊娠しない(34歳出産)

東洋医学的診立て

体外受精、とても残念でしたね。体外受精さえすれば、妊娠できるはずなのにという思い、よくわかります。そう思うぐらい沢山の辛い注射や、高い費用がかりましたものね。納得できないお気持ち当然だと思います。

ただ、体外受精って魔法の技術ではないのですよね。妊娠させてくれるというよりも、妊娠の前提となる、受精や胚移植を確実にしている。そこまでを後押ししてくれるわけです。そのあと妊娠できるかどうかは、また別のフェーズなのかなと思います。

体外受精では、精子と卵子が出会うことの出来ていないだけのケースでは、すんなりと妊娠、出産につながることもあるとは思います。しかしながら、妊娠そのものが、淘汰や自然のもつ流れで、受精卵を戻せば確実に妊娠できるわけではないこと。そして、妊娠できない理由が、受精卵をキャッチできていないということだけではない可能性も高いからだと思われます。

お身体を拝見していくと、全身のパワー不足があり、そのなかで、日々の生活を頑張らなくてはいけません、ご自身のも頑張らなくっちゃというお気持ちを強く持っているのだと思います。ですので、全身の気の巡りが偏り、妊娠に必要な子宮や卵巣のパワー不足を起こしていると思われます。

身体を表面からしっかりと守る機能(肺気)を充実させ、ついつい入りがちな肩の力を抜いて(肝気の疏通)、土台の力(腎気)を充実させて、妊娠し、出産出来る身体作りをめざしましょう。

若いんです、あせらず、がんばりましょう。

東洋医学的診立て
弁証:肺気を中心とする気虚 肝鬱 腎虚
論治:肺気を補い腎気をたて強い肝鬱を納める。
治療方針:まず第一に肺気を補い、肝気、腎気への悪影響と取り去る。肺気を補う上で必要であれば脾気もたてる。腎気をたて、下焦の生命力を上げ、肝気の治まりどころをつけるとともに、妊娠に向けての身体作りとする。

治療経過

31歳
 2月 体外受精一回目新鮮胚移植ー妊娠せず
 4月 体外受精二回目凍結胚移植周期ー妊娠せず
   ビッグママ治療室受診

32歳
 4月 体外受精 1個採卵 一個胚盤胞凍結
  (年齢の割に、空砲、採卵できずの卵胞多し)
 7月 移植ー着床するー妊娠継続できず

32歳
 10月 体外受精 3個採卵2個受精 
 11月 自然周期で移植 妊娠せず
   右股関節 もともと先天性股関節脱臼 外れたらぶらぶらさせないとダメ
   →バイオネックス、腸骨の調整 経過良好
 12月 疲れたので温泉に行ったら風邪を引いた
33歳
 採卵、フレッシュ胚盤胞で移植 化学流産
 2ヶ月後 月採卵ー凍結 不育症の検査問題なし
 4ヶ月後 HR周期での移植ーー排卵済みで移植見送り
 5ヶ月後 自然周期での移植、シート法+胚盤胞移植→βhcg200越え
 6w ぎっくり腰になりそう、胎嚢見えた
   つわりが非常にきつい 内関パイオ
 9w越え! 
 22w 頚管少し短いかもと言われた
   つわりはまだきつい、夕方になると体調が悪くなり気持ちが悪い
 30w 食事をすると動悸がする
   夜に腹がはる
 39w まだ赤ちゃんの位置が高いと言われている
  1)肺兪(10)、左胃兪、左三焦兪、腎兪、次髎
  2)百会7 三里灸頭鍼 三陰交パイオネックス 左外関ミニ灸
   パイオネックス 左外関、曲泉、三陰交
   治療直後、ぐっと赤ちゃんが下がる
34歳
 鍼灸治療より5日後、無事に陣痛がきて3000g弱の元気なお子さんを自然分娩。
 
本当に長かった不妊治療となりましたが、無事の出産おめでとうございました!!