カテゴリー : 不妊・婦人科の症例集 30代前半 不妊

採卵数が少なく体外受精でも妊娠しない(34歳出産)

あとがき

初診時の、『何も悪いところはないし、不妊治療だって、やることはすべてやっているのにどうして妊娠できないのですか?』 という思い詰めた表情でのご相談が今も思い出されます。

確かに、ご本人としては、『ここまでやっているのに、どうして?』という思いは強いのは当たり前ですよね。

本症例では、年齢の割に、体外受精で採卵できる良好胚の数が非常に少なく、移植できても妊娠できずということが続いていました。大学病院での治療でしたが、不妊治療の専門病院に変わっていただくこと、ただ採卵を繰り返すのではなく、少しじっくりとご自身のお身体作りをしてから採卵ー移植をしてみてはどうかということをアドバイスさせていただきました。

最初の移植採卵は、『体外受精させすれば・・・』という思いも強かったのだと思います。凍結胚なのだから、もう少し体調をアップさせてはというアドバイスよりも、少しでも早く!という思いが強かったのだと思います。

1年程度ゆっくりと身体作りし、再度の体外受精挑戦となりました。その経過も、一筋縄ではいきませんでしたが、凍結胚盤砲もでき、確実に、妊娠に近づいているように私には思えました。なんとか、シート法プラス胚盤胞移植ができ、無事に妊娠。妊娠中もいろいろなことがありましたが、無事に3000g弱のお子さんを出産されました。スマートな小柄なお母さん、がんばりましたね。よかったね。