カテゴリー : 不妊・婦人科の症例集 30代後半 不妊

潰瘍性大腸炎の回復後の不妊治療(38歳出産)

概要

20代の仕事で身体をだいぶ痛めてしまい潰瘍性大腸炎となってしまわれたものの、ご本人の努力によって無事に回復され、妊娠、出産につながった症例です。

(この症例の弁証論治→ 38才出産 潰瘍性大腸炎後の不妊治療 3年かかって妊娠 弁証論治
【case:0138】

ご相談内容

今35歳です。28歳から妊娠を希望してますが、なかなか上手く行きません。高プロラクチン血症、無排卵月経、チョコレート嚢胞などがあり、タイミング指導や人工授精をしてもらっていますが、5年経っても妊娠できません。

20代のときに仕事のストレスでだいぶ身体を痛めてしまいました。現在はだいぶ回復し、薬の服用もなくなっています。不妊治療のステップアップも気持ち的になかなか受け入れられません。どの様にしていったらいいのでしょうか?

東洋医学的診立て

社会人になってとても忙しいお仕事で大変でしたね。身体も痛めてしまいお辛かったでしょう。投薬もいらないほど回復したのは本当によかったと思います。

東洋医学的に現時点のお身体を考えると、
・残尿感があること
・尿切れが悪いこと
・疲労感が残ること
・疲れると下肢がむくむこと
などから、生命の土台の力(腎気)に負担がかかっていることが明瞭です。腎気は子宮を中心とした女子胞力にとても大切です。また下痢や便秘をしやすいこと、便が出きらない感じがよくあること、食後のお腹の張りや背中の経穴の弱さ、三陰交の深い冷えなど子宮を養う気血の道も弱りがちです

腎気を中心に子宮をしっかりと養うことから始めましょう。充分に体調が整いましたら、西洋医学的な治療もしっかりと使い、時間を大切に不妊治療をすすめていきましょう。

東洋医学的弁証論治
弁証:脾腎虚を中心とした全身の気虚
論治:益気補腎 益気補脾 補気
治療方針:
・脾腎を中心に全身を緩やかに補い、全身の気虚を救う。
・ある程度バランス良く全身の気虚が救われてきたら、腎気を中心に下焦を補い、妊娠を成立させ出産まで導く