概要
落ち込みやすい、気力が出ない、身体がだるいほてる、疲れやすいなど様々な愁訴がありましたが、ご自身の丁寧な取り組みと、ご主人のフォローによって、時間はかかりましたが体調が回復し赤ちゃんもやってきてくれた症例です。
(この症例の弁証論治→気力を充実させ元気に生きたい、不妊 弁証論治)
(この症例の患者さまの声はこちら→「妊娠中の鍼灸治療の満足度に関するアンケート」6-1)
【case:0143】
ご相談内容
『頭痛や肩こり、だるさ、身体のほてり、疲れやすさ、精神的に落ち込みやすいなど自分の身体がいつも元気が出ない感じです。20代の前半に仕事でとても無理をして、体重が10キロ近く落ち(50キロから40キロへ)それから気力が出ない感じです。
結婚して体重も少しずつ増え、それにつれて体調も以前よりは良くなった感じがしますが、疲れたとき、生理前、雨が降る前などは、身体がほてり、だるく、あちこち痛みがでたり、気分が落ち込んだりしてしまいます。
なんとか、気力を充実させて元気に生きれるようになりたいです。そのときには赤ちゃんも欲しいのです。どうしたらいいでしょうか?』
東洋医学的診立て
気力を充実させて元気に生きたいというご希望ですね。とてもよくわかります。元気な身体、安定した精神は、気持ちよく生きていくためのお宝ですね。大事に育てていきましょう。
20代前半でのお仕事は、お身体にとってだいぶ負担だったようですね。ここで体重が10キロ落ちたことにより、身体の中にいらない熱(陰虚熱)が発生するきっかけになってしまったと思います。全身が非常に弱った(気虚)中、身体の内側におこった内熱(陰虚熱)は、様々は不定愁訴(ほてり、だるさ、精神的な不安定さ)を引き起こしてしまったのだと思います。結婚を機に、精神が安定し、体重も増えたのは本当によかったですね。ご主人の優しさのたまものですね。
だいぶ回復されたとはいえ、今現在も不安定さは残っているようですね。胃腸の力をしっかりさせ、身体を充実させていきましょう。そして、赤ちゃんが早く来てくれるようにしていきましょうね。
東洋医学的診立て
弁証:脾気を中心とした気陰両虚
論治:益気補脾 益気補陰
治療方針:脾気を立てることを中心として、補気補陰していく。脾気がたつことによって腎気が持ち直すことを期待する。脾腎の陰気がたち肝鬱が納まることを期待するが、場合によっては肝鬱も取り去る。