カテゴリー : 不妊・婦人科の症例集 30代後半 不妊

仕事をやめて不妊治療に専念するも妊娠しない(38歳出産)

概要

32歳の時に当院受診するも仕事が多忙で不妊治療に取り組めず、その後タイミングや人工授精、体外受精までおこなうも妊娠できなかったので再度鍼灸治療を組み合わせての不妊治療で無事に妊娠ー出産に至った症例です。

(この症例の弁証論治→36才 本気出していきましょう!
【case:0145】

ご相談内容

お久しぶりです。32歳のときに、妊娠を希望してビッグママ治療室を受診させていただいたことがあります。しかしながら当時は多忙で、どうしても妊娠に向けて時間を作ることが出来ませんでした。

34歳になってから、タイミング指導を受けたり人工授精をしたりしていましたが妊娠出来ず、35歳の時に思い切って仕事をやめ、不妊治療に専念し体外受精も2回行いましたが、妊娠出来ず、自分としては『どうしてなんだろうか』と悩むばかりです。妊娠したいです。子供が欲しいです。どうしたらよいでしょうか?

東洋医学的診立て

お久しぶりです、思い出して下さって嬉しいです。また一緒に頑張りましょうね。

お仕事をやめ、体外受精も挑戦したのに、どうして妊娠しないのか?というお悩みですね。よくわかります。以前よりもずっと身体も楽なはずだし、高度生殖医療に挑戦すれば妊娠出来るものだとだれでも思いますよね。それは納得できるところです。

お身体を拝見すると、もともとストレスが強い方でしたが、より一層強くなっていると思われます。これは、もともと気が納まりにくく上逆しやすい性質があったところに、パソコンの仕事や、冷えの入り込みがあったため、気の上逆が強くなり、めまいやおう吐まで引き起こしているのではないかと思われます。

妊娠には、生命の土台の力(腎気)がとても大切です。この腎気は気の納まりどころとなり、上逆も納めてくれます。この腎気が弱いために身体の上部に様々な症状が発生したり、妊娠しにくかったりするわけです。腎気をすこやかに充実させ、冷えの入り込みをとり、体調をよくして妊娠できるような身体作りをしていきましょう。

また、病院選びが少しご自身にあっていないような感じがします。とても敏感で大きなブレを持ちやすいタイプの方ですので、なるべく自然の流れに乗って、無理なく不妊治療が進められ、かつ技術力のあるクリニックへの転院も考えるべきでしょう。いまが、頑張りどころです。本気出して行きましょう!!

東洋医学的弁証論治
弁証:腎虚肝鬱 風邪の内陥
論治:疎風散寒 益気補腎 疏肝理気
治療方針:まず第一に風邪の内陥を取り去る。腎気をたてることを中心にしていく。肝気の上逆は腎気の充実により治まるようにしていくが必要に応じては疏肝理気する。