カテゴリー : 不妊・婦人科の症例集 30代後半 不妊 不育 流産

不育、不妊、頚管長が短い。仕事が忙しく安静にできない(38歳出産)

治療経過

初診

1)百会、左外関、左陽池、三陰交、左公孫、左足三里
2)右肺兪、温灸
3)左胃兪、腎兪、次髎
4)気海、関元、温灸

1)百会にて気機の調整を行いながら、左外関陽池にて陽維脉を通じさせ陽気をアップさせる。三陰交、左公孫、足三里を使うことによって脾胃の負担を取っておく。
2)弱りのある右肺兪を温灸し、肺気を補い肝鬱を救う。
3)左胃兪、腎兪、次髎を使い、下焦の補気、温養。
4)気海関元を使い、臍下に気を納める。

妊娠直前の鍼灸

1)肺兪、温灸
2)左脾兪、左胃兪、腎兪、次髎
3)左外関、三陰交、足三里
4)関元、温灸

1)肺兪を使い上焦を補い気の上逆を調整する。
2)背部腧穴を使い、裏から補う。脾兪、腎兪、次髎により大補する。
3)左外関を使い陽維脉を通じさせ陽気をアップさせる。三陰交を中心に使い子宮を養う。
4)関元にて臍下丹田に気を集め、子宮を温養する。

治療経過
1~2週に1度のペースで鍼灸治療継続。
初診から1ヶ月 なかなか自宅施灸が出来ない。排卵時の腰痛がきつい。
初診から3ヶ月 仕事が忙しく疲労感が抜けない。両方のふくらはぎが痛い。
初診から半年 徹夜が続き疲労感が抜けない。心兪の抜け。
2年後 自然妊娠、以降鍼灸の頻度を週に1回以上にあげる。ご本人に、仕事のこと、疲労のこと、頚管長のことなど強く説明。また病院も通いやすいから選ぶではなく、経過をしっかりとフォローできる大きな病院にするように説得。
妊娠15週 頚管長を縛ることになった。入院。
妊娠18週 頚管が短くなり入院。
妊娠25週 お腹の位置そのものが低い。ドクターより安静と言われる。いままでは安静のイメージがなかったが、今回は少し理解できたと思う。具体的に近所の買い物程度、軽い家事。お腹がはったらゴロゴロする。仕事は割り切った。無事に正期産の月まで経過、出産。

「お世話になっております、治療をしていただいていた、○○です。

この度、○日に出産しました。無事出産が出来たのも、皆様のお力添えがあったこそだと感謝いたしております。

米山先生には色々助言を頂き、感謝しております。ありがとうございました。取り急ぎ、ご報告させていただきます。」

あとがき

「なんという頑張り屋さん!!」というのが、初診の問診をおこなったときの感想でした。30代、仕事に一番のってきた頃だと思います。そしてやはり締め切りがあれば徹夜で仕上げると言うことも社会人として責任を果たすためには時として必要なのでしょう。

ただ、ご自身のお身体はそういった事情を配慮してはくれません。そのご自身の身体のありようの反応になってしまいます。

妊娠19週、9週と続く流産は本当に大変であったと思います。無事のご出産、おめでとうございます。これから子育てで賑やかな生活となりますね。子育てと一緒にご自身の健康も育ててあげてくださいね。