カテゴリー : 不妊・婦人科の症例集 20代 30代前半 不妊

20代から有名クリニックで体外授精するも結果が出ない(34歳出産)

概要

20代という年齢的に非常に若いときに不妊治療有名クリニックで複数回採卵ー移植をおこなうものの妊娠にいたらなかった症例です。何がその方に必要かを見極めることがとても大切なのです。

(この症例の弁証論治→不妊 冷え性 弁証論治
(この症例の患者さまの声はこちら→「妊娠中の鍼灸治療の満足度に関するアンケート」5-4
【case:0171】

ご相談内容

なかなか妊娠しません。友達に聞いて、不妊治療で一番実力があると言われているクリニックで治療をしていますが、妊娠出来ません。そのクリニックでは、タイミングAIHを半年しました。そのあとステップアップし採卵するものの卵はあまり採れない状況が続き、その中でやっと受精分割できた卵を、2回移植しましたが、妊娠出来ませんでした。

私は若い頃からずっと冷え性でクーラーや秋冬が特に辛いです。腰痛も昔からずっとあります。この腰痛や不妊、冷えの原因は自分ではストレスのせいだと思います。

東洋医学的診立て

お身体を拝見しますと、東洋医学で言うところの腎気不足が明瞭です。そして仕事の忙しさでストレス状態を引き起こし(肝鬱)そのストレス状態が腎気に負担となるという悪循環になっています。腎気とは生命力を底支えするものです。

年齢が若く、体外受精で移植出来る卵ができるものの、移植しても着床の数値は低く継続できないこの状況は腎気が不足していることによっておこっていると考えられます。これは体外受精の治療によって救われる部分ではないと私は考えます。ですので、何度体外受精を繰り返しても妊娠や妊娠継続にいたらず、いたずらに月日が過ぎ、 金銭の負担が増すばかりという状況に陥っているのではないでしょうか。

体外受精をなんとか工夫すればという気持ちは理解できます。しかしながら、

『卵の質は体外受精で用いる薬によってあげることは出来ない』

というドクターのコメントは至極もっともだと思います。ここは腹をくくって、腎気を積み増しし、腎気によって養われている女子胞力を増すことでしか解決し得ないと思います。

解決への提言
1)鍼灸治療を頻度をあげて取り入れる(週に2-3回)
2)毎日の自宅施灸
3)仕事の見直し(現状の仕事ぶりでは腎気の積み増しはかなわない)
4)睡眠、食事の改善

年齢がお若いのです、少し腹を括って頑張ってみましょう。

東洋医学的弁証論治
弁証:腎虚肝鬱 女子胞力の不足
論治:益気補腎 温養女子胞
治療方針:腎気をあげる。腎気とともに脾気を養い、女子胞を温養し妊娠し継続する力を補う。