カテゴリー : 不妊・婦人科の症例集 20代 30代前半 不妊

20代から有名クリニックで体外授精するも結果が出ない(34歳出産)

治療経過

初診後も仕事を継続、腎虚肝鬱の意味がなかなか伝わらなかったが、しっかりと腹をくくり取り組んだ周期で初めて妊娠判定でよい数字が出る。ご本人を説得し、頻回の治療と仕事のダウンサイズをしっかりとおこない、妊娠継続。

初診から9ヶ月30診(月に3回ぐらいのペース)

採卵、凍結胚を作るー移植ー子宮外妊娠。

初診から1年後 週に1-2回のペースでの移植周期(約1ヶ月間に10診)今までよりも3倍鍼灸治療を増やす。

移植ー妊娠ー胎嚢確認。

妊娠6週 卵巣嚢腫が5㎝を越えて破裂の危険性を指摘された(豆乳を毎日200cc飲んでいるとのことなので、やめるように指示)。

妊娠12週まで週に2回ペース。

妊娠22週 逆流性食道炎きつい。右内関、左脾兪、胃兪、右三焦兪。内関はここから交互につかう。(妊娠34w(当院終了時)まで紅舌が続く。胃のむかつきがきつい。母も胃酸過多症)-牛乳で落ち着く。

妊娠25週 全体に下がり気味、トコちゃんベルト薦める。

無事に正期産にて元気な男の子を34歳で出産。おめでとうございます。

あとがき

若い年齢のときに費用は高額でも有名クリニックを選ばれ、素早く治療を進めようという前向きな姿勢。お仕事をしながら、頑張っている彼女らしい前向きな選択だなと感じました。

お身体を拝見すると、下腿内側が棒の様で、腎虚が明白。今の仕事ぶりや生活状況は腎虚肝鬱に拍車がかかるので、この日々の生活状況では、なんど体外に挑戦しても無駄になると何度も説得しました。生活そのものが負担になっているわけですから、もう少し自分をいたわる時間を作ることこそ、この方にとっては一番の薬になると思いました。

妊娠した周期は、忙しい日々でありながら、仕事をセーブされきちんと鍼灸治療に来院されました。そして初めて妊娠ー継続。妊娠後も頻回の鍼灸をおこない、仕事もかなり減らされました。無事に出産。本当によかったなあと思います。

仕事が、腎気への負担となり、妊娠が成り立たないケースはときに見受けられます。とくに、身体を使って、気を使ってというお仕事の場合、どうしても心身共に消耗し、生命力の余力で成り立つ妊娠まで到達できないという状況になっているのです。

体外受精の治療は非常に高額です。その高額な治療費のために働く。働き過ぎるので治療が上手く行かない。なあなか難しい問題ですが、よい方向へつながりますようにと祈っております。