概要
20代から長らく続いた無月経状態。40代からの不妊治療で妊娠、出産。
(この症例の患者さまの声はこちら→「妊娠中の鍼灸治療の満足度に関するアンケート」10-4)【case:0332】【神奈川県/秦野市】
ご相談内容
昔から、色々な事を悩んでしまう性格です。月経不順の状態も長く、時々生理をおこすということをしていました。43才から妊娠をしたいと思って不妊治療をはじめました。迷うことばかりです。どしたらいいでしょうか?
東洋医学的診立て
不妊治療を前に進めていこうと決心なさったのですね。とてもいいことだと思います。何かをするときには、集中すること、とても大切ですね。
考えこんでしまうこと、癖になっているので仕方がないとは思います。ただ、考えるってとても体力を使うのです。これからは子宮(女子胞)、卵巣に力をもっていきたいのですから、体力、生命力のむだ遣いはやめたいですね。また過去に月経不順や無月経などいろいろあっても、今現時点で良好ならば何問題ないです。前に進んでいきましょう。
ポイントをまとめておきますね。
・思考は3回まで!それ以上は体力のむだ遣いと自覚してやめましょう。「考えてもしょーがない」という言葉で終了です。
・生理などで過去に不調があったとしても、現時点で自発月経があり、ホルモン値がよい状態になっているのですから何ら問題ないです。考えるのはやめましょう。
・健康診断でのTSHの数字、少し高いと思います。専門クリニックで1度相談してみてくださいね。
・風疹のワクチンを打った方がよいと思います。ドクターと相談してとにかく採卵をすすめて、移植まで打ちましょう。年齢要因を考えて、採卵をとにかく進めましょう。
・毎日のセルフケアのお灸、週に2回の鍼灸治療をやっていきましょう。
・寝る、食べる、毎日の規則正しい生活を心がけましょう。
東洋医学的弁証論治
弁証:腎陽虚肝鬱 脾肺の虚
論治:益気補脾補肺、温陽補腎
治療方針:腎気を底上げし、それを補う脾肺をたてていく。肝鬱については、鍼灸で対応はせず、ご自身の思考のパターンを変化させ、身体への負担とならないようにしていく。
治療経過
採卵を先にすすめ、初期胚1つ、胚盤胞が3つ出来たところで移植スタート。
無事に妊娠、45才にて十分大きな女児を出産。おめでとうございます。
あとがき
不妊治療は迷うことがいっぱいです。ただ、時間が限られる治療です。一人で決められないときは、相談して背中を押してもらうのもよいかと思います。