鍼灸重宝記:

管鍼の手法

管鍼は、学びやすく痛くないものです。手法は左の手にて管を穴の上にあて、鍼を管に入れて右の食指を中指の後ろに重ねて、食指の腹によって鍼の軸を弾き下しなさい。

自信なく弾けば痛みます。一気に弾き下ろしなさい。

管は大指と食指にて中をもち、中指によって肉をおさえ、鍼をはぢき下して管を抜き、右の食指大指にて撚り下ろします。

下ろさないで撚るばかりでも大方の病には効きます。鍼経に、鍼大いに深く刺せば、かえって邪気沈み病がいよいよ益すとあります。

管の寸法は長さ二寸五分、針軸一寸、穂一寸八分、総長二寸八分、大抵、少し太い ものがよいです。細いものは、針の中がしなって針の口が痛みます。

小児の針は細いものを用いて、軸が五分、穂一寸二分、管一寸五分、手法は前に同 じで す。