カテゴリー : 食事と栄養 コラム

2017年6月『栄養データを正しく理解しよう』東京大学大学院教授 佐々木敏 NHKラジオ

NHKラジオのファンです。昨日、健康ライフの聞き逃し放送で佐々木敏先生の、『栄養データを正しく理解しよう』を聞きました。私は佐々木先生の大ファン。5日間の放送でしたが、中身が濃く充実していました。ちょっと復習してみました。

テーマは5つ『栄養データーを正しく知ろう』

  1. イメージに惑わされないように
  2. 「1日350グラムの野菜を食べよう」の真の意味は?
  3. 全粒穀物の健康効果
  4. 果物の糖分を考える
  5. 食べる順序と糖尿病管理

一つの講義が15分ぐらいですが、とてもわかりやすくて、納得できるものです。とくに、佐々木先生の幅広い知識とご経験と、偏見の少ないスタンスにガッテンと思わずつぶやいてしまうお話しも多いです。

私の治療室でも「何を食べたら良いですか?」というお話しはよくでますが、これは本当に難しい質問です。まず今のご自身の食生活はどうなっているのかという認識なくしては語れません。その上で、佐々木先生のお話ははっとさせるものが多いです。

では、復習を始めましょう

1.イメージに惑わされないように

食品の栄養効果を正しく理解するには、栄養について正しく理解することが大切でイメージを先行させないようにというお話しでした。

このなかで、『ワインは身体に良い』と言われますねえということでお話しが進みました。デンマークでの15万人の調査でお酒の種類と頻度を調べ、11年経過を追い、ビール、ワイン、ウイスキーを飲んでいる人の死亡率を調べた調査です。

このなかで、

☆ワインを沢山飲んでいた人の死亡率が小さい
☆別の調査で、ワインにはポリフェノールが含まれており、抗酸化作業によって動脈硬化を予防するという研究があった。

この二つのことで、ワインは心筋梗塞を予防して長生きするという結論が導き出され、『ワインは身体によい』というストーリーが作られたと。

聞いたことがありますねえ、ワインは身体に良い。そしてこれら調査を示されれば納得しちゃいます。ポリフェノールがたくさん入ったワインはいいのねえと。

そして、佐々木先生はお話しを続けます。同じデンマークで、スーパーのカゴの調査があると。300万件!この調査では、アルコールを買った人が他にどんな食材を買っているかという調査です。

するとビールを買った人のカゴには
1.ソーセージ
2.マーガリン
3.バター
4.豚肉
飽和脂肪酸やトランス脂肪酸たっぷり!

そしてワインを買った人のカゴには
1.植物オイル
2.野菜
3.果物
うーんヘルシー

この調査から、アルコールの種類そのものよりも、アルコールと一緒に食べるお友達食材の方が影響が大きいのではないかという結論が導き出されています。

つまり、ワインそのものがよいという点もあるが、それ以上に一緒に取る食材が健康に貢献するモノであり、これが死亡率を下げている可能性が高いということで、ワインそのものが良いのではなくて、組あわせがよい!ということなんですね。

また、ワインそのものはアルコールです。アルコールはガンの発生を増やしたり、事故や怪我が増えるので適正な範囲での飲酒が大切です。この適正な範囲とはアルコールの適正量1日7グラム!! つありワイングラス半分です。お酒を好きな人が聞いたら、えーーーーーって言いそうな量ですね。

ではアルコールの一日当たりの限界量はというと1日40グラム。つまりワイングラス4杯弱です。これがギリギリの量。アルコールと上手に付き合いたいですね。