臨床経験も30年を超え、多くの患者さんの人生に寄り添う日々を過ごしてきました。
60代半ばになって感じるのは、家族というつながりのありがたさと、あたたかさです。結婚や子育ては、いまどきの「タイパ」「コスパ」という価値観で考えれば、むしろその対極にあるものかもしれません。
とくに、妊娠し子どもを授かるということは、女性が自分の身体を使い、大きな負担を引き受けた上で起こる出来事です。
私自身の経験から
私はもともと、「子どもを授かる」ということに強い思いを持っていたわけではありません。20代前半で結婚し、ごく自然な流れで妊娠・出産へとつながり、そこから家族の輪が広がっていきました。そのため、「妊娠すること」や「家族をもつこと」について、深く考える機会はあまりありませんでした。
そんな私が妊活に深く関わるようになったのは、まさにご縁です。
きっかけは、頭痛で通院されていた患者さんが「これだけ頭痛がよくなったのだから、妊活にも良いはず」と鍼灸を継続して取り入れてくださったことでした。
当時は、妊娠前後の鍼灸は慎重に扱われることも多く、私自身も少し戸惑いながらのスタートでした。
しかし、その方の率直な思いと実感が周囲にも広がり、気がつけば、私の臨床の中で妊活に関わる機会が増えていきました。
「子どもが欲しい」という思いに触れて
臨床を続ける中で、「なぜ人はこれほどまでに子どもを望むのだろう」と自然な疑問を持った時期もありました。若い頃の私は、どちらかといえば効率や合理性を重視する、いわゆる「タイパ・コスパ」的な思考が強かったと思います。
けれども年月を重ね、還暦を過ぎ、多くの方の思いに触れる中で、「子どもを望む」という気持ちは、理屈ではなく、とても自然で人として根源的な願いなのだと、自分の中にストンと落ちてきました。
人生の選択の中で
私たちの人生はあっという間に過ぎていきます。その過ごし方、生き方は本当にさまざまで、それぞれの価値観や希望のもとに選び取られていくものです。
どの選択も尊重されるべき大切なものだと思います。その中で、「子どもとの日々を」と願う方々の思いに、少しでも寄り添い、お手伝いできればと考えています。
妊活という「迷いの多い道」
長年妊活に関わる中で感じるのは、妊活には多くの不確定要素があり、選択肢も多いということです。ある程度のセオリーはあるものの、最終的にはご夫婦それぞれの価値観と選択に委ねられる部分が大きい領域です。
そのため、多くの方が
・何を優先すべきか
・どこまで取り組むべきか
・どの方法が自分に合っているのか
といった点で迷いを抱えながら進んでいかれます。
不妊カウンセリングを独立させた理由
これまでの臨床の中で、初診時に
「これをやっておけばよかった」
「これは自分には必要なかったかもしれない」
という声を伺うことが少なくありませんでした。
そこで強く感じるようになったのが、「妊活の全体像を整理すること」の重要性です。
どの方法を選ぶか以前に、
・自分の現在地を知る
・妊活の地図を描く
・優先順位を整理する
このプロセスが、その後の妊活の質やスピードを大きく左右します。
また、鍼灸に対する抵抗感があることで、相談そのものをためらってしまう方もいらっしゃいます。私は鍼灸が妊活に有効であると考えていますが、必ずしも最優先ではありません。
だからこそ、まずはフラットに状況を整理できる場として、「不妊カウンセリング」を独立させました。
こんな方にご相談いただけます
・妊活を始めたいけれど、何から手をつけていいのか分からない方
・情報が多く、自分にとって何が必要で、何をやめるべきか迷っている方
・ご夫婦の意見の違いや、治療方針、病院選び、費用や体力面などで悩んでいる方
ご注意(カウンセリングについて)
本カウンセリングは、米山の30年以上にわたる臨床経験をもとに、現時点での整理や方向性を一緒に考えるものです。
妊活にはさまざまな考え方や選択肢があり、たった一つの正解があるものではありません。そのため、特定の方法を一方的におすすめするものではなく、あくまで一つの視点としてご提案させていただきます。
最終的なご判断は、ご自身とご夫婦の価値観を大切にしながらお選びいただければと思います。
最後に
当院は初診までお待たせしてしまうこともあり、「時間」がとても大切な妊活において、その点も課題に感じていました。
少しでも早い段階で、迷いを整理し、進む方向を見つけるお手伝いができればと思っています。
私自身、「あきこバアバ」と呼ばれる年になって、ようやく家族のありがたさを実感するようになりました。
その経験も含めて、これから妊活に向き合う方々の「これから」のために、少しでもお役に立てれば嬉しく思います。





