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二人目不妊、ポイントを絞った妊活3つのコツ

「二人目不妊」のお悩み、案外多いですね。

  • 一人目はスムーズに自然妊娠し、出産。それなのに二人目はなかなか妊娠出来ません
  • 一人目は人工授精を数回しているうちに妊娠しました。それなのに…
  • 体外受精をすれば妊娠出来ると思っていたのに、良好胚を何度戻しても妊娠出来ません
  • 一人目を授かったときの残りの凍結胚を移植したのに、ちょっと着床しただけでした

などなど、多くの二人目不妊のご相談をお受けしてきました。とくに、一人目はなんなく妊娠出来たのにと言う方が多いですね。

そんな、『一人目は簡単に妊娠出来たのに』という経験があるからこそ、少しの医療介入や、ちょっとした工夫、そして体外受精や顕微授精などの高度生殖医療をすれば、『すぐに妊娠出来るはず』と思われるのかなと感じます。

スムーズにいかない、二人目の妊活。少しコツがあります。お話ししていきますね。

二人目不妊、妊活3つのコツ、体調、都合、方法

1:体調
2:都合
3:方法

この3つがポイント。もう少し解説しますね。

1:体調→一人目の妊娠時と同じ身体状態にする

二人目不妊の方のご相談をうかがっていると、明らかに体力の低下や、疲労感、子育てに振り回されている日々で、『とても自分のことなんか〜』とおっしゃる方が多いです。

まあ、確かにその通りなんですが、これをこの言い訳同理にしていたら、いつまでも妊娠できません。

腹を括って、目の前のお子さんと一緒に、自分、そして二人目のまだみぬ赤ちゃんのためのベッドであるご自身のお身体をととのえてください。

一人妊娠し、出産したということは、血流そのものの向きは妊娠に向かう準備が出来ている身体です。ちょっとしたコツと努力でちゃんと、二人目の赤ちゃんがやってくる準備ができます。

とくに、生理前の高温期がつらい、生理の出血がダラダラしている。朝起きたときの疲労感が強いなど、あきらかに第一子妊娠前よりも体力や生命力が低下している場合には、先ず体力作りです。

2:都合→上の子供の年齢や、生まれ月、行事などさまざまな都合を優先しすぎない

お子さんがひとりいると、二人目の子供との年の差、また保育園などの関係もあって、何月生まれが良いとか、最近は『早生まれは避けたいんです』などという生まれ月への拘りもあるようですね。

スムーズにサクッと妊娠するような状態の方であれば、この都合は勘案しても別に問題がないと思います。

しかしながら、『なかなか妊娠出来ない、二人目不妊』の場合、社会的な都合を優先して、チャンスを失っている場合が多いような気がします。

人間は、1年に妊娠出来るチャンスが、12−14回程度しかありません。見送ったチャンスは大きいのかも知れませんよ。

また、早生まれちゃんの生まれる5,6、7月妊娠は、血流タイプの人には絶好のタイミング。早生まれを嫌って、この時期をやりすごしてしまうのは、お勧め出来ません。

3:方法→一人目と同じ方法が妊娠しやすい方法

二人目不妊の方で、よくご相談になるのが、

『一人目は自然妊娠でスムーズに妊娠しました。二人目がなかなか妊娠出来ないので、ステップアップし体外受精をし、良好な凍結胚盤砲ができています。それなのに何度戻しても妊娠しないのです。』

こんなお悩みをよく伺うのです。

一人目は自然妊娠出来た。ならば基本的な検査はクリアし(再度しておく必要はありますが)卵管問題、子宮問題、カップルの相性などには大きな問題がないということですね。

そのうえ、受精卵をつくり、良好胚を移植しているのに…ということになると、『いったいなにをすればいいのでしょうか?』

と言うことになるかと思います。

この場合は、2つの要因が考えられます。
1:体力の低下
2:胚の淘汰

1:体力の低下について

1の体力の低下は、一番はじめの体調の課題とつながります。そして、案外、体外受精などの精力医療の介入は、ストレス状態を引き起こしていたり、ご自身の体力低下は無視して(ホルモンの補充をしたり、医療介入で無視出来てしまうわけです。)治療がすすむために、「赤ちゃんを子宮でしっかりと受け止める力」が足りず、良好胚でも妊娠出来ずにつながります。

こういった場合は、とにかく、病院通いでどんどん削られる体力やメンタル回復のために少し病院通いをお休みし、ご自身の身体と向き合い、気持ちよく上のお子さんとの時間を楽しむようにしていただくと、気持ちも、体力も向上し、「一人目の時と同じ方法」で妊娠、出産なさる方が多いです。

つまり、医療介入がかえって、悪循環のきっかけとなっていたということです。

「こんな高度な医療を受けているんだから」
「他に出来ることがないから」

こういうお気持ち、よくわかります。でも、やっぱりちがうんですよ。

当院にいらしていただいて、半年程度の休憩という名の、心身のお手入れ期間で、無事に第一子と同じ自然妊娠で出産なさっていく方が多いです。ステップダウンが案外効きますよ。

2:胚の淘汰

着床前診断(PGT)という検査があります。

日本産科婦人科学会の主導のもと、なかなか検査すら出来ない状態でしたが、ある年からかなり幅広く取り入れられることになりました。

この検査自体のことは、実施機関でデーターなども出し説明があるので、詳しくはそちらをご覧ください。

加藤レディースクリニック
はらメディカル

ときに、何度も挑戦し、良好胚といわれる胚を移植しても妊娠出来ない場合は、着床前診断を考えることも多いでしょう。

一人目が自然妊娠だった場合、このPGTを考えることはそれほど多くはないのかもしれません。ただ、その一人目の間に流産が多かったり、さまざまなトラブルがある場合は考えてもよいのかも知れません。

PGTをなさるかたと時間をともにさせていただいて

不妊治療には流行ということが多くあります。

流行という言葉を使っていいのかと思いますが、『あー流行っているんだな』っとか、『いまトレンドね』といった感じで、同じ事がくり返されることがあります。

卵管に戻すタイプの移植も、こんな感じで時々拝見します。長く不妊治療にお付き合いさせていただくと、そんな流行も垣間見えてきます。これが妊娠というものの、不思議さなんでしょうねえ。そして、一時期、多くの方がこのPGTを受けられていました。

私の個人的な印象ですが、
 ・問題のない胚が多く出来る人
 ・遺伝子異常の胚が多く出来る人

この二つに分かれるるような感じがします。

そして遺伝子異常の胚が多く見られる方であっても、良好胚はあるので、それが自然妊娠につながり、後の二人目で苦労しているということもあるのかなという印象です。

こういった背景を考え、また年齢要因も踏まえ、PGTを取り入れるかどうかは考えたいところですね。特に年齢の高めの方の場合は、胚へのダメージやそもそも取れる胚の数が少ないということからPGTを取り入れるよりは、胚移植をしたり、自然妊娠をそのまま考えた方がよいと言うこともあるかと思います。

ある、何度移植しても妊娠しないという方が、来院。今回の採卵はPGTしてみますとのことでした。そして胚盤胞になった6個の胚のうち、2個PGTをされ、2個とも問題のない胚でした。

私はPGTをしていない残りの4つも、多分問題がない胚が多いのではと思い、『もし二人目を考えるのならば、PGTした卵は残して、残りのPGTしていない卵から移植したら?』と提案してみました。

その方は納得され、PGTしていない卵を移植。無事に着床し妊娠継続出産なさりました。

この方は、何度移植しても妊娠しない=胚の遺伝子異常と思われたわけですが、着床しないのは、ご自身の受け入れる体制が整っていなかったと言うことなのだと思います。

鍼灸治療とセルフケアで卵をお迎えする力をアップさせ、無事の妊娠出産につながりました。きっと残った凍結胚で、うまく二人目も妊娠、出産につなげることが出来ると思います。

まとめ

二人目不妊の妊活。ちょっとしたコツがあります。

体力、都合、方法。見直してみると、案外スムーズに進みますよ。

あまり考え込んでもなかなか前に進みません。不妊カウンセリングもとても力になると思います。一緒に考えて、前に進めましょう。

前に進みましょう!