妊娠に致る一連のシステム
システムの不調に弱い西洋医学
西洋医学的な不妊治療は、いままでお話しさせていただいたように、段階に応じてステップアップし、治療を比較的負担が小さいものから、負担が大きいものへと進んでいきます。
ただ、ここで妊娠を考えるときに一番大事なのは、先ほどご説明した『一連のシステムがスムーズに動くこと』なのです。
一連のステップアップでも、このシステムがスムーズにおこらなければ妊娠に致りません。
この一連のシステムがとても大事なのです。
排卵はある、
精子はいる
受精障害もない
着床に適する内膜もある。
それなのに妊娠しないという場合、一連のシステムがスムーズに作動していない可能性が考えられます。このシステムをスムーズにおこす力を応援することが、東洋医学の得意とするところです。
身体の中でおこることを応援する一般不妊治療は特にこの一連のシステムに対してのアプローチが弱いですね。
また、一連のシステムの中で、卵管采が卵をキャッチするというところは、故障の発生しやすいところです。キャッチアップ障害というのは、卵子と精子が物理的に出会うことが出てきていないという状態です。
IVF-ET(体外受精ー胚移植)は、一連のシステムの中で一番故障の多い、卵管采が卵をキャッチすることを『身体の外』でおこなってくれる治療です。
そしてIVF-ET(体外受精ー胚移植)をおこなっても、身体の中でストレス状態が強いと妊娠にいたる一連のシステムがスムーズにおこらなくなるのです。
何度もIVF-ET(体外受精ー胚移植)を挑戦したのちに、すうっと自然妊娠される方がいらっしゃいます。システムで一番の障害になるところを乗り越えたはずの体外ですら、他のシステム異常を救うことが出来ないのです。
『絶対、妊娠しません!』
ときに、絶対に妊娠しませんとおっしゃって来院される方がいらっしゃいます。
いままでご説明させていただいたようなステップアップをしてきたかた。
また、西洋医学的な検査で決定的な不調を言い渡された方です。
具体例
☆卵管造影を3回やってダメでしたーIVF-ETしかありません。
☆充分な回数の、タイミング、人工授精をやりました、自然妊娠するはずがありません。
本当にそうですよねえ。ここで、すんなり自然妊娠するぐらいならば、苦労はありませんよねえと私はいつも思います。
この『絶対に妊娠しません』と仰る方が、それまで何回、生理の度に涙を流してきたのかよくわかります。
もう、そんなことぐらいでは心はビクともしませんよ!っていう叫びのような気がします。
ですので、確かにここはいったん『絶対妊娠するはずないし、自然妊娠なんてしないから狙うのはよしましょう』ということにしましょう。
そして、IVF-ET(体外受精ー胚移植)などのステップアップに向けて、きらーくお気楽に身体の手入れをしましょう。
身体の手入れってね、鼻息粗く『頑張るぞ-』とするものではないのですよ。
気楽に、さりげなく、自分でもなんでやってんだか忘れるぐらいに気楽に。
それでいて、やらなければいけないことは淡々と。
半年の後に、やっぱりおっしゃるとおり妊娠しなかったらステップアップしましょうね。
でも、ときに、あれあれ?生理がありませんなんてこともあるんですよ。本当なんですよ、私もいつもびっくりします。貴方にもおこるかもしれませんね。 ちょっぴり、ちょっぴり期待しましょうね。