カテゴリー : 講演記録

2010年 山下湘南夢クリニック ゲスト講演『不妊と鍼灸治療』

攻めと底上げの二重作戦

西洋医学と東洋医学、医学の体系として根底から考え方が違います。ただ、妊娠という目標に対して考え方アプローチの違いはあっても向かうところは同じです。

私たちは、西洋医学も、東洋医学も利用して、妊娠するために努力することができます。両者にはそれぞれ相反するようなメリットデメリットがあります。

西洋医学の大きなメリットは、薬による直接的な排卵誘発や、IVF-ET(体外受精ー胚移植)における、直接的に採卵し受精卵を作り子宮へ戻すなどの技術です。これは東洋医学ではまったくかなわない大きなメリットとなります。

しかしながら、この西洋医学での大きなメリットは身体の土台への直接的な負担や、ストレス状態をより強くするという『心身そのものに掛ける負担』が大きいのです。

『病院で不妊治療を続けたら身体の調子が悪くなって・・・』というお声が聞かれるのもこのためですし、『薬の使いすぎで、だんだん卵が取れなくなってきてしまったのです』という状況になるのも、心身そのものへの負担が大きすぎたためです。

不妊治療により『妊娠』がスムーズにおこれば、これらデメリットも、さほど大きな問題とならずに妊娠出来たことのメリットの方が大きいと思います。

しかしながら、不妊治療はある程度継続しなければならないケースも多々あります。そのときに、このような治療が続くことは、妊娠するために努力し続けることがかえって悪循環を生んでしまうということになってしまうのです。

このときには、東洋医学の手を借りて、この悪循環から抜け出してください。

また、よりスムーズに妊娠への道が開けるように、東洋医学の大きなメリットである、妊娠する力への直接的な応援になる土台の力作り、そしてストレス状態の緩和をはかり、健やかで暢びやかな身体作りをおこなっていただきたいと思います。

妊娠への不妊治療は、『西洋医学による力強い攻めの治療』と『東洋医学による身体作りからおこなう底上げの治療』が必要で、この『攻めと底上げの二重作戦』を私は強くお勧めします。