カテゴリー : 講演記録

2012年 第11回日本不妊カウンセリング学会『自己管理と夫婦コミュニケーションに役立つ 自宅施灸の役割』

コミュニケーション

コミュニケーションのツールとしてお灸が役立っていると感じている方が多いという結果になりました。

毎日お灸

この問いでは「精神的にどう感じているか」ということをお伺いしました。

81パーセントの方が、ご自身で身体作りをしているという「実感」を感じているようですし、気持ちが安定したという回答も多く、精神的な安定によってストレスの回避も なされていると思います。

身体の変化

この問いでは、ご自身が具体的に感じることについて複数回答OKで回答していただきました。

冷えがとれ、体調が全体によくなった、基礎体温表のグラフが安定してきたと感じられる方が多く、「鍼灸、自宅でのお灸治療」が治療効果として具体的に実感できていると思われます。

結語

定期的な鍼灸治療を前提とする、自宅でのお灸の手入れは

(1)身体そのものが好調になり、具体的に変化を実感できる

(2)毎日ご自身ですることがある、実感がわくということから、精神面での安定

(3)二人で協力し合い身体作りをしてくという夫婦のコミュニケーション

にとって有用であると思われます。

また、当院ではこの「施灸指導」を長年にわたり取り組んでまいりました。

たんに「お灸をしてくださいね」という言葉だけでは、なかなか効果が実感できる「継続的で、毎日のお灸」にはつながりません。細かいフォローやしっかりとした指導はとても大切だと感じております。これは鍼灸院にとっては「負担」と思われる部分でもあります。

しかしながら、ご自宅でのお灸は、東洋医学で言うところの生命の土台(脾腎の力)を上手に養うことができます。また妊娠を願う方の場合、下腹、骨盤などを直接的に暖め養う(温養)することで、子宮や卵巣の生命力をますことにもつながります。ご夫婦のコミュニケーションを深め、身体作りにも役立つ自宅での施灸指導ですので、今後も積極的に勧めていきたいと思っております。