カテゴリー : 学会・論文

第62回 全日本鍼灸学会 講演記録『着床、妊娠、心拍確認に至った難治性不妊症への鍼灸治療』

3日目胚移植後3日目、着床の頃の鍼灸治療です

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ベースとしておこなってきた脾腎両虚へのアプローチに加え、妊娠を考える場合、大きなポイントが着床の頃です。ここで、脾腎の陽気をたてながら軽く理気します。そして生命力を子宮にあつめていきます。

生命力をそこに集めるには動きと軸が必要です。肝気先導ではなく、全体を見通して、気を増やし、気を動かし、集めていきます。この集めたい中心を身体に示してやることで集まりやすくしていきます。妊娠希望ですので、一源三岐の源子宮にあつめていきます。どの経穴ということではなく、全体を考え見通し手を入れていくことがポイントではないかと思います。

今回では、大椎の温灸、脾気腎気の温養をし、関元にあつめていきました。

3日目胚移植後8日目の鍼灸治療

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判定日直前の鍼灸治療です。脾腎の温補を中心に行なっていきます。手足末端と中心の関係を押さえ、どこに生命力を集めたいのかを考えながらおこなっていきます。

手足末端の経穴は、中心に対して引くことにならないように、弱り、冷えをとっておきます。基本的に中心に集めていくように手順も考え構成していきます。

この後、無事に妊娠され、妊娠中も鍼灸治療を継続。安産にて出産ののち、産後も脾気腎気の落ち込みを防止し、子育てを健やかに行い、順調な人生行路を願って、鍼灸治療を継続しています。

12症例 データ

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今回の12症例データーです。