カテゴリー : 学会・論文

第62回 全日本鍼灸学会 講演記録『着床、妊娠、心拍確認に至った難治性不妊症への鍼灸治療』

第62回全日本鍼灸学会学術大会 九州大会
期間:2013年6月7日(金)~6月9日(日)
会場:福岡県福岡市・アクロス福岡

難治性不妊、高度生殖医療と鍼灸の組み合わせ
高度生殖医療との組み合わせ鍼灸治療
反復胚移植例に対する鍼灸での着床、妊娠、出産の可能性
ー当院にて2012年X月に行われた12症例よりの検討

弁証論治による物語のある不妊治療

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当院は不妊治療を専門領域とする鍼灸院です。

昨年X月一ヶ月間に当院にて鍼灸治療を高度生殖医療の胚移植と併行して鍼灸治療をおこないました。

当院での不妊治療をなさる方々は、長い不妊治療歴をもつ、難治性不妊と呼べるような方々が多くいらっしゃいます。昨年x月の12例から、不妊治療が貢献できる可能性について考察していきたいと思います。

弁証論治は『東洋医学で人を診る』便利ツールです。

目の前の患者さんを理解するには、患者さんひとりひとりと相対し、その人の人生の文脈の中で生きているありようを読み解くことが必要です。四診という、東洋医学で人を診るための技術やノウハウを使い、まずデーターをあつめ、そのデーターを使い、時系列にそって東洋医学の生命観にそって過去~いま、未来を読み込んでいくことで、人生の物語を提示し、弁証論治とし身体作りにいかしています。当院でのこの取り組みについて、高度生殖医療を行いながらの不妊治療にいかに貢献できるのか、具体的な位置から検討していきたいと思います。

平均年齢、平均高度生殖医療胚移植回数

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12症例の方々、年齢は35歳から43歳までで平均39.0歳。移植回数は1回から10回以上と平均4.75回です。当院に来院なさっていて、一ヶ月間に胚移植なさった方全員の数字で、抽出なしです。

卵子老化が始まり、妊娠しづらくなると言われる30代後半、胚移植も何度もおこなっている、難治性不妊といってよいのではないかと思われる方々がこの鍼灸治療の対象です。

2症例のうち、4例が出産

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このように、年齢が高く不妊治療歴が長くい反復胚移植をなさっている妊娠困難事例での着床は8例66%です。1回目心拍確認は5例、最終的に4例が二回目の心拍確認にいたり、無事にご出産なさいました。この4例の平均年齢は39歳、平均移植回数は6.5回です。

出産報告を次々いただき、本当にありがたいことだと思いました。さて、このうち、4)の43歳10回以上の体外受精胚移植を繰り返し無事に妊娠、出産に致られました症例について具体的に検討していきたいと思います。